日高賞

留守杯日高賞：岩手競馬を彩る伝統の重賞競走

留守杯日高賞は、岩手県競馬組合が水沢競馬場で開催する地方競馬の重賞競走です。サラブレッド系3歳牝馬が競い合う、地方競馬全国交流競走として知られています。その歴史は長く、現在の競走形態に至るまで、幾多の変化を遂げてきました。

歴史：アラブ系競走からサラブレッド競走へ

「日高賞」という名称の競走は、1969年にアングロアラブ系4歳（現在の3歳）馬限定の重賞競走として誕生しました。不来方賞とともに岩手競馬最古の重賞競走であり、ビクトリーカップ、北日本アラブ優駿とともに岩手アラブ三冠を形成していました。約1900mの距離で多くの名馬を輩出しましたが、アングロアラブ系競走馬の減少に伴い、1999年に廃止されました。

2001年、サラブレッド系3歳牝馬限定の重賞競走として「日高賞」が復活。回数はアラブ系競走から引き継がれませんでした。2004年には「留守杯日高賞」と改称され、同年は東日本・九州地区交流競走として、北海道、北関東、南関東、九州地区の競走馬も出走可能となりました。2005年からは地方競馬全国交流競走となり、全国のサラブレッド系3歳牝馬が出走できるようになりました。

2010年にはGRANDAME-JAPAN・3歳シーズンに指定され、さらに2016年には岩手競馬の重賞格付け制度導入によりM2に格付け、2018年にはM1に格上げされました。2009年から2017年、そして2019年以降はスタリオンシリーズ競走にも指定され、優勝馬の馬主には種牡馬の配合権利が副賞として贈呈されています。2020年からはひまわり賞（オークス）、OROオータムティアラとともに岩手3歳牝馬三冠競走を構成する第1戦として位置づけられ、その重要性が増しています。

競走条件と賞金（2024年）

出走条件: サラブレッド系3歳牝馬、地方競馬全国交流。あやめ賞3着以上の馬は優先出走権があります。
負担重量: 54kg
賞金: 1着500万円、2着175万円、3着100万円、4着65万円、5着35万円。着外手当は2万5000円です。
副賞: 留守杯、JBC協会賞、奥州市長賞、開催執務委員長賞、そしてHITスタリオンシリーズ指定による配合権利（ビーチパトロール）が優勝馬馬主に贈られます。
優先出走権: 3着以上の馬にはひまわり賞の優先出走権が付与されます。
トライアル競走: 水沢競馬場で開催される重賞競走「あやめ賞」がトライアル競走となっており、上位3着馬に優先出走権が与えられます。過去には「菜の花賞」がトライアル競走でした。

競走名の由来

競走名は、毎年4月28日～29日に行われる絵巻「日高火防祭」に由来します。この祭りを始めたとされる水沢城主「留守家」にちなんで名付けられました。

結論

留守杯日高賞は、長い歴史と伝統を誇る岩手競馬の重賞競走です。アラブ系競走からサラブレッド競走へと発展し、現在では岩手3歳牝馬三冠競走の一戦として、全国の競走馬たちがその栄冠を目指して競い合っています。今後も岩手競馬を代表する競走として、その地位を不動のものとしていくことでしょう。

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