旧山線

旧山線：歴史と文化が息づく鉄路の軌跡

旧山線（きゅうざんせん）は、台湾鉄路管理局台中線（山線）の旧線区間を指す言葉です。かつては台湾の重要な交通路として活躍し、軍事的な役割も担っていました。その歴史は古く、1900年代初頭にまで遡ります。この区間は山岳地帯に位置し、資材の搬入が困難であったため、軽便[[鉄道]]や資材運搬線が先行して建設され、日本から持ち込まれた資材の輸送に利用されました。

旧山線の歴史

初期の建設

旧山線の建設は、軍事的な目的も兼ねていました。軽便[[鉄道]]は軌間495mmの複線で、内社川と大安渓北岸までの支線がありました。一方、資材運搬線は本線と同じ軌間1,067mmでした。

1903年9月には、苗栗～三叉河（現在の三義駅）間が開通。1904年には三叉河～伯公坑間の資材運搬線が開業し、1905年には軍事速成線（軽便[[鉄道]]）が三叉河～後里庄（現在の后里駅）～葫蘆墩（現在の豊原駅）間で開通しました。同日には、蕃仔田（現在の隆田駅）～葫蘆墩間の縦貫線とも接続されました。

縦貫線全通と旧線の一部廃止

1908年には、後里庄～葫蘆墩間が開通し、縦貫線が全通しました。これに伴い、軽便[[鉄道]]は後里庄以北で廃止され、後里庄停車場は現在地に移転。その後、軽便[[鉄道]]は後里庄以南で撤去されました。

電化と複線化、そして新線建設へ

1979年には、台中線（山線）の全線電化工事が完了。1987年には、豊原-成功間の複線化工事が完了しました。しかし、1991年に造橋～豊富間で発生した鉄道事故をきっかけに、新線建設が決定。1997年には、豊原～后里間の複線化工事が完了し、九号トンネルと大甲渓鉄橋を含む区間が廃止されました。1998年には、苗栗～南勢間の新線が供用開始され、三義～后里間の旧山線は最終列車が運行しました。10月11日には台中線全線複線化工事が完了しました。

観光鉄道としての再生と新たな活用

自転車道からレールバイクへ

2005年には、后里以南の路盤が自転車道『后豊鉄馬道』として再生されました。その後、2010年に観光鉄道として一時的に復活しましたが、2014年に運行を終了しました。しかし、2018年には、勝興～六号トンネル付近間の約6kmでレールバイク（軌道自転車）の試験営業が開始され、2019年7月1日に正式営業を開始。年間約25万人が利用する人気の観光スポットとなっています。将来的には台中市側まで延伸することが目標とされています。

文化遺産としての価値

旧山線は、中華民国行政院が選定した世界遺産の候補に挙がっており、その歴史的価値が認められています。また、多くの施設が地方政府や中央政府によって文化遺産として保存・活用されています。勝興駅、泰安旧駅、龍騰断橋（魚藤坪断橋）、魚藤坪鉄橋（龍騰鉄橋）、内社川鉄橋、大安渓鉄橋などが県市定古蹟に、大甲渓鉄橋と后里圳磚橋が歴史建築に指定されています。

使用車両

かつて旧山線で活躍した車両には、CK124号機、DT668号機、R40号機、印度仔32200型通勤客車などがあります。これらの車両は、旧山線の歴史を物語る貴重な存在です。

今後の展望

現在、旧山線は、一部区間でのレールバイクの運行に加え、トロッコ列車などの導入により、2024年を目標に再度観光路線として復活させる動きが本格化しています。旧山線の歴史と文化を次世代に伝えるための取り組みが、今後も進められていくでしょう。


旧山線は、その歴史的な背景と美しい景観、そして文化遺産としての価値が融合した、魅力的な場所です。今後の更なる発展が期待されています。

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