旧羅典神学校

旧羅典神学校は、長崎県長崎市南山手町に位置する、国の重要文化財に指定されている歴史的建造物です。この建物は、1875年（明治8年）にパリ外国宣教会の宣教師ベルナール・プティジャンによって、日本人司祭の育成を目的として設立された長崎公教神学校の校舎兼宿舎として建設されました。

設計は同じくパリ外国宣教会の宣教師マルク・マリー・ド・ロが担当し、彼の日本における最初の本格的な建築作品となりました。全長20メートルに及ぶこの大型西洋建築は、明治初期における貴重な遺構として評価され、1972年（昭和47年）5月15日に国の重要文化財に指定されました。

旧羅典神学校は、当初大浦天主堂の敷地内に建てられ、西洋建築の美しい外観が特徴です。内部は神学校としての機能を備え、学生たちの学びの場として利用されました。その後、時代とともにその役割を終えましたが、歴史的価値は失われることなく、現在に至っています。

2018年4月からは、隣接する旧長崎大司教館とともにキリシタン博物館として一般公開されています。これにより、多くの人々がこの建物の歴史と文化に触れることができるようになりました。館内では、キリスト教の歴史や文化に関する展示が行われており、旧羅典神学校はその一部として、来館者にとって重要なスポットとなっています。

所在地は、長崎県長崎市南山手町5-3です。公共交通機関を利用する場合、長崎電気軌道5号系統の「大浦天主堂」電停で下車し、徒歩5分です。また、長崎バスを利用する場合は、「松ヶ枝国際ターミナル」バス停（2022年10月1日に「グラバー園入口」から名称変更）で下車し、同じく徒歩5分で到着します。

周辺には、大浦天主堂、旧長崎大司教館、南山手地区、グラバー園、祈りの丘絵本美術館など、多くの観光スポットがあります。これらのスポットと合わせて、旧羅典神学校を訪れることで、長崎の歴史と文化をより深く理解することができるでしょう。

旧羅典神学校は、その建築美と歴史的背景から、長崎を訪れる人々にとって欠かせない観光名所となっています。明治時代の西洋建築の粋を感じることができるこの場所を、ぜひ一度訪れてみてください。

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