旧花野井家住宅

旧花野井家住宅について

旧花野井家住宅は、千葉県野田市にある、江戸時代の面影を色濃く残す古民家です。この建物は、かつて幕府直轄の小金牧の牧士を務めた花野井家の住居であり、1969年（昭和44年）には国の重要文化財に指定されました。もともとは流山市の前ヶ崎城址付近にありましたが、1971年（昭和46年）に野田市へ寄贈・移築され、現在は野田市郷土博物館の展示施設として一般公開されています。清水公園に隣接しており、公園と一体化した景観も魅力です。

花野井家の歴史

花野井家は、江戸時代に代々小金牧の牧士を任されていた家柄です。小金牧は、現在の千葉県北西部に広がる広大な牧で、野馬奉行の配下で牧の管理や野馬の捕獲を指揮する重要な役割を担っていました。野馬の捕獲は、多くの農民を動員する大規模なもので、江戸からも見物客が訪れるほど賑わったと言われています。捕獲された馬の多くは、その後、民間に払い下げられました。花野井家は、この小金牧の管理において重要な役割を果たした家柄であり、その歴史的背景が、旧花野井家住宅の価値を高めています。

建築の特徴

旧花野井家住宅の建築年代は17世紀後半と推定されています。建物は、桁行15.5メートル、梁間9.1メートルの平屋で、屋根は寄棟造りの茅葺きです。移築前は間口が10間半、奥行きが5間半でしたが、移築の際に、間口8間、奥行き5間の建造当初の規模に復原されました。内部は、正面左側に土間、中央には囲炉裏付きの居間、奥には部屋と納屋、右側には玄関、中の間、床の間付きの奥の間が配置されています。現在でも、茅葺き屋根を保護するために、囲炉裏の煙で燻す作業が行われており、この煙には防虫・防湿効果があると言われています。

アクセスと周辺情報

旧花野井家住宅へは、東武野田線清水公園駅から徒歩約10分でアクセスできます。公開時間は午前9時から午後4時までで、入場料は無料です。休館日は、月曜日と火曜日（祝日の場合は翌日）と年末年始です。周辺には、清水公園、野田貝塚、野田市総合公園などの観光スポットや、野田清水郵便局、野田市立清水台小学校などがあります。

その他

旧花野井家住宅の移築工事は、大工棟梁の田中文男氏が担当しました。また、入口にある薬医門は、左甚五郎が一夜で建築したという伝承があります。これらの要素も、旧花野井家住宅の歴史的な魅力を語る上で欠かせないものです。この古民家は、地域の歴史と文化を伝える貴重な遺産として、これからも大切に守り継がれていくことでしょう。

所在地
〒278-0043 千葉県野田市清水馬作902

アクセス
東武野田線清水公園駅より徒歩10分

公開時間
9:00-16:00

入場料
無料

休館日
月・火（祝日の場合は翌日）、年末年始

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