早い話が

スパンダー・バレエの『早い話が』

スパンダー・バレエの1980年の楽曲「早い話が」（英語名: To Cut a Long Story Short）は、彼らにとって初のシングルとしてリリースされ、全英シングルチャートで5位を獲得しました。この曲は、アルバム『ジャニーズ・トゥ・グローリー (Journeys to Glory)』にも収録されており、その音楽と歌詞には深い意味合いが込められています。

歌のスタイルと評価

「早い話が」は、ミニマルで尖ったシンセポップのスタイルを持ち、その音作りは初期のオーケストラル・マヌーヴァーズ・イン・ザ・ダークに通じる独特のサウンドが特徴です。Allmusicでは、「汚れた、重過ぎるシンセサイザーサウンドとゲイリー・グリッター風のバックビートが特徴」と評されています。スパンダー・バレエは1983年にスタイルを変更し、滑らかなソウル・ポップへと移行しましたが、時が経つにつれ「早い話が」は1980年代初期のUKシンセポップにおける隠れた名曲として再評価されているのです。

歌詞の背後にある意味

この楽曲の歌詞は、とても深刻なテーマを扱っています。退役軍人の視点から語られる内容で、戦争での徴兵に苦しむ姿を描いています。この曲は、特にベトナム戦争を背景に、心的外傷後ストレス障害 (PTSD) に悩む主人公の苦悩を歌っているといわれています。歌詞の中では、徴兵される理由について問いかける言葉があり、答えが見つからないもどかしさが表現されています。歌詞の内容は、ヴィンス・クラークがデペッシュ・モードの「Just Can't Get Enough」を作曲する際にもインスピレーションを与え、その影響が音楽的にも表れています。

曲の特徴と他の作品との関連

「早い話が」の特徴的なリフは、その後フリースタイラーズのアルバム『Adventures in Freestyle』のトラック「In Love with You」にも取り入れられ、ループとして長く続いています。このように、スパンダー・バレエの「早い話が」は、彼らの音楽キャリアだけでなく、後のアーティストにも影響を与える存在となっています。

シングルのリリース情報

このシングルは、7インチと12インチの両方でリリースされました。7インチ盤には「To Cut a Long Story Short」と、そのインストゥルメンタル版が収められています。12インチ盤には、異なるミックスの「To Cut a Long Story Short」が数トラックにわたって収録されています。

ライブパフォーマンス

「早い話が」の公式ミュージックビデオや、UKテレビの『Top of The Pops』でのパフォーマンス映像は、当時のバンドの独特なファッションセンスを示しています。これらの映像は、曲の魅力を視覚的にも楽しむ機会を提供してくれます。

「早い話が」は、単なるポップソング以上のものを持ち合わせている作品です。そのメッセージやスタイルは、今もなお多くのファンの心に残り、音楽史における特別な位置を占め続けています。

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