早川省義

早川省義

早川省義（はやかわ あきよし、1852年8月21日 - 1903年12月22日）は、日本の陸軍軍人であり、最終階級は陸軍少将。正五位。旧名は高松次郎。

生涯

静岡県出身の早川は、1869年9月に沼津兵学校に入学し、資業生として軍人としての第一歩を踏み出しました。1872年5月、兵学校の廃止に伴い東京へ移り、陸軍伍長として陸軍教導団に編入されました。その後、1873年12月に陸軍少尉に任官し、1874年2月には陸軍省参謀局第六（測量）課の課員となります。

1877年5月には陸軍中尉に昇進。1880年からは全国測量事業が開始されると、千葉県を担当する第2班の班長として測量業務に従事しました。この頃から、早川は測量技術者としての才能を発揮し始めます。

1882年4月、工兵大尉に昇進した早川は、軍の測量技師養成のための施設設置と教育方法の検討において中心的な役割を担いました。彼は、『数理提要』、『大地測量学講本』、『地形学』、『初級最小方数法』、『標高平面幾何学』といった教科書を編纂し、陸地測量部修技所の設立に尽力しました。これらの教科書は、当時の測量技術の基礎を築き、後進の育成に大きく貢献しました。

1884年9月には、参謀本部測量局地図課長心得に就任。1888年5月、参謀本部測量局が陸地測量部となると、製図科長心得として引き続き職務を担当しました。1889年9月には工兵少佐に昇進し、同日付けで陸地測量部製図科長に正式に就任しました。その後、長らく陸地測量部で地図作成業務に従事し、1895年1月に工兵中佐、1899年12月には工兵大佐へと昇進しました。

1903年12月22日に死去。同日、陸軍少将に進み、予備役となりました。

功績

早川省義は、陸地測量部の基礎を築いた人物として知られています。測量技術者としての卓越した能力に加え、教育者としての才能も発揮し、多くの人材育成に尽力しました。彼が編纂した教科書は、後の測量技術の発展に大きく貢献しました。また、陸地測量部における地図作成業務を長年にわたり支え、日本の近代測量技術の発展に不可欠な役割を果たしました。

人物

早川省義は、その実直な人柄と卓越した技術力で、多くの人から信頼されていました。教育者としては、厳しさの中にも温かさがあり、多くの後進から慕われていました。彼の功績は、日本の測量技術の発展史において、重要な位置を占めています。

栄典

1880年（明治10年）2月7日 - 従七位
1891年（明治24年）12月28日 - 従六位
1895年（明治28年）3月28日 - 正六位
1900年（明治33年）2月10日 - 従五位
1903年（明治36年）12月22日 - 正五位

勲章

1885年（明治18年）4月7日 - 勲五等双光旭日章
1889年（明治22年）11月29日 - 大日本帝国憲法発布記念章
1893年（明治26年）5月26日 - 勲四等瑞宝章
1895年（明治28年）10月31日 - 勲三等旭日中綬章
1895年（明治28年）11月18日 - 明治二十七八年従軍記章

参考文献

福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
樋口雄彦『旧幕臣の明治維新 - 沼津兵学校とその群像』吉川弘文館、2005年。
樋口雄彦『沼津兵学校の研究』吉川弘文館、2007年。

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