早速整爾

早速整爾の生涯と業績

早速整爾（はやみ せいじ、1868年11月15日 - 1926年9月13日）は、日本の明治時代から大正時代にかけて活躍した実業家であり政治家です。彼は、初代大蔵政務次官をはじめとする多くの重要な役職を歴任し、特に財政と経済においてその才能を発揮しました。

幼少期と学問

整爾は、広島県沼田郡新庄村（現在の広島市西区新庄町）に生まれました。元の名前は中山米吉で、中山家の二男として育ちました。彼は幼少期から学問に励み、旧制広島中学を経て1887年には東京専門学校（現・早稲田大学）の政治経済英学科を卒業しました。卒業前には、優秀な成績にもかかわらず、遊びに夢中になりすぎた結果、卒業試験に失敗してしまいました。この経験を反省し、名前を整爾に改め、整えることを自らに課しました。

経済界と政治界への進出

卒業直後、整爾は埼玉英和学校の校長代理・教頭として職務にあたりましたが、1889年には地元の新聞社主である早速勝三の養子となり、早速整爾と名乗ることになりました。同年、彼は新聞社の社長兼主筆として経営に携わり、優れた文章力と経営感覚を生かして活動しました。

その後、地方政治にも足を踏み入れ、広島市会の議員や議長を経た後、1896年に広島県会議員として活動。1902年には衆議院議員に初当選し、その後も県会議員を続けました。また、広島商工会議所の会頭や地域企業の重役といった重要な役を見事にこなしました。これにより、整爾は地方財界の代表的な存在となっていきました。

政治運動と内閣での活躍

1915年、整爾は海軍参政官に就任し、その後第2次大隈内閣で衆議院副議長を務めました。1916年には憲政会を結成し、大政党の一員としてしっかりとした地位を築いていきました。経済通、財政通としての評価を受け、1924年には鉄道次官に就任。その同年8月に、初代大蔵政務次官として新たに発足した政務次官制度に組み込まれました。

さらに、1925年には加藤高明内閣の農林大臣、翌年には若槻内閣で農林大臣となり、続けて大蔵大臣としてその能力を遺憾なく発揮することが期待されました。しかし、間もなく重い病にかかり、入院生活を余儀なくされました。整爾は1926年に57歳という若さでこの世を去りました。彼の死因には、平将門の首塚の祟り説があるなど、一部の人々による興味深い噂も存在します。

死後の功績

整爾の生前の影響力や多大な功績により、1929年には従三位および勲一等瑞宝章が贈られました。また、広島市南区の比治山公園には彼の銅像が建てられましたが、太平洋戦争中には資源回収のために取り除かれてしまいました。彼の業績や影響力は、今なお多くの人々に語り継がれています。

参考文献

• - 衆議院・参議院『議会制度百年史 - 衆議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
• - 『早速整爾伝』（湊邦三編）私家版、1932

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