旭日章 (警察章)

旭日章（きょくじつしょう）について

旭日章は、昇る朝日とその光を表現した紋章で、日本の警察やその他の国家機関で広く使用されています。日章または朝日影とも称され、特に家紋として用いられる場合は「旭光」と呼ばれることがあります。

歴史

この紋章は、日本の明治時代初期に陸軍の帽章として使われることから始まりました。初期には陸軍官の帽章として形作られましたが、その後、陸軍は五芒星のデザインを選び、旭日章は将校や準士官の正装用の帽章として位置づけられました。

明治8年（1875年）、警察の徽章として「円形万筋彫込」というデザインが採用されます。さらに、明治15年（1882年）には六角形の「日章」が採用され、これは陸軍憲兵の徽章と同じ形式でした。これ以降、六角形の日章は「朝日影」という通称でも呼ばれるようになりました。しかし、第二次世界大戦後、この六角形の形状は廃止され、昭和23年（1948年）からは五角形の「日章」が正式な形として使用されるようになりました。警察官に適用される服装規則では、迷わず「日章」と記されています。この章は「東天に昇る、かげりのない、朝日の清らかな光」を象徴しています。

種類

旭日章のデザインにはさまざまな形があります。例えば、警察や国会の衛視、刑務官のものは五角形で、旧陸軍の憲兵は六角形を持ち、旧郵政監察官は十角形を採用しています。警察では、五角形を「略章」、八角形を「正章」としています。特に皇宮警察や警視庁、千葉県警察などでは、八角形の帽章が礼服用として使用されています。また、警察署長から授与される感謝状にも八角形の旭日章が描かれていることが多いです。

同じ機関内でも、部署や役職によって異なるデザインが採用されることがあり、文字を入れることで区別されることもあります。入国警備官の「IA」や労働基準監督官の「労」、麻薬取締官の「麻」など、他にも警務官の「警」、民間企業の防犯活動に用いられる「防」など、旭日章には様々な派生デザインがあります。また、他のシンボルマークを取り入れた事例も多く、警察予備隊の帽章では旭日章に鳩のデザインが施され、海上保安庁では船舶用コンパスの下に旭光があしらわれています。

このデザインが持つ五角形の形状から、警察の旭日章は「桜の代紋」という通称でも知られています。国際的には、同じようなデザインがアメリカ合衆国の麻薬取締局のバッジにも見られ、「サンバースト」という名称で知られています。

家紋

「旭光」は、家紋の日紋の一種で、中央の円形で太陽を表現し、その外に放射状の光条を描いています。光条は大きなものの間に小さな光条を持ち、端部が谷の方向に入り込むデザインが特徴です。一般的に「旭光」と言う場合は、光条が8角形のものを指します。

このように、旭日章は日本における重要なシンボルであり、歴史的背景や多様なデザインが散見されることから、日本の文化や伝統を反映した興味深い存在と言えるでしょう。

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