旻

旻（みん）について

旻は、飛鳥時代に活躍した学僧で、彼の生年は不明ですが、653年に亡くなったことが記録されています。彼の出自は中国系の渡来氏族に属しており、文化や知識の伝播に重要な役割を果たしました。

渡隋と帰国

旻は推古天皇の16年目にあたる608年、遣隋使として小野妹子の一行に加わり高向玄理や南淵請安と共に隋に渡ります。旻は、約24年間にわたって隋の地で強い影響を受け、仏教に加えて易学についても深く学びました。彼は教育機関としての役割を持つ「国博士」にも任ぜられ、学問の普及に貢献しました。

彼の帰国は632年に訪れ、その後日本で学んだ知識を生かして蘇我入鹿や藤原鎌足に「周易」の教えを伝えました。彼の時代には天体現象に対する理解や予見が重要視されており、旻はそれに関しても特に敏感でした。彼は637年には流星の出現を天狗の吠え声として説明したり、639年には彗星を見て飢饉を予告したりするなど、祥瑞思想についての知識を有していたことが記録されています。

改元とその影響

皇極天皇の4年、乙巳の変が起きた後、旻は高向玄理と共に国博士に任ぜられ、政治の改変にも関与します。特に、大化5年には高向玄理と共に八省百官の制度を立案するなど、国の制度整備にも多大な影響を与えました。

650年、大化6年のことですが、穴戸（長門）の国司である草壁醜経が白い雉を献上した際、旻はその祥瑞の意味を深掘りし、その結果として「白雉」との改元が行われました。この改元は、ただ単なる年の変わり目の意味を超え、それまでの文化や思想を新しい時代へと結びつける重要な出来事でした。

最期と本名に関する説

旻は653年5月に病を患い、同年6月に亡くなりました。亡くなる直前には孝徳天皇の見舞いを受けています。彼の本名についてはいくつかの説があり、旻という名前は日文の一文字とする誤解から来た可能性も指摘されています。そのため、彼の本名は実際には日文であったのかもしれません。

このように、旻は飛鳥時代において多くの文化的、学問的な施策に寄与した学僧であり、彼の業績は今なお日本史における重要な位置を占めています。

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