明治通り (東京都)

明治通り：東京を貫く歴史と変化の道

明治通りは、東京都港区南麻布から江東区夢の島に至る、全長約33.3kmに及ぶ主要道路です。その歴史は、1923年の関東大震災後の復興計画に遡ります。1927年の都市計画に基づき、東京初の環状道路として整備された「環状5号線」の一部を担う重要な路線として誕生しました。

戦後復興と変遷

渋谷駅周辺から神宮前交差点までの区間は、渋谷川沿いの古道を整備する形で1928年に完成。その後、神宮前交差点から新宿に至る区間が1930年に完成しました。東京の環状道路として最初に整備された明治通りですが、太平洋戦争の勃発により整備は一時中断。終戦後、復興事業の一環として、区画整備と並行して再び着工されました。

1968年には、渋谷駅前の国道246号との交差点に、首都高速3号渋谷線をくぐる巨大な歩道橋「マンモス歩道橋」が完成し、街の風景を一変させました。

当初は環状5号線として計画されましたが、2002年現在の都市計画道路においては、荒川区宮地から西側の一部区間のみが環状第5号線として登録されています。その他区間は、複数の都道府県道や国道の一部を構成しています。2008年には、渋谷～池袋間の地下に東京地下鉄副都心線が延伸開通したことに伴い、明治通りの一部区間の拡幅工事が行われました。

路線と構成道路

明治通りの正式名称は、区間によって異なります。古川橋から夢の島までの間、東京都道416号古川橋二子玉川線、東京都道305号芝新宿王子線、国道122号、東京都道・千葉県道501号王子金町市川線、東京都道306号王子千住夢の島線など、複数の道路が明治通りを構成しています。

明治通りの経路は非常に長く、北区を境に西側区間と東側区間とに分けられます。西側区間は、溝田橋から古川橋まで、日産通り、国道122号、本郷通り、国道17号、東京都道436号小石川西巣鴨線、国道254号、目白通り、新目白通り、早稲田通り、諏訪通り、大久保通り、東京都道302号新宿両国線、東京都道5号新宿青梅線、新宿区道、国道20号、東京都道413号赤坂杉並線、国道246号、東京都道416号古川橋二子玉川線、東京都道418号北品川四谷線、東京都道415号高輪麻布線と、多くの主要道路と交差しています。東側区間も、溝田橋から夢の島まで、日産通り、東京都道58号台東川口線、尾竹橋通り、国道4号、東京都道461号吾妻橋伊興町線、国道6号、東京都道476号南砂町吾嬬町線、浅草通り、蔵前橋通り、国道14号、東京都道・千葉県道50号東京市川線、清洲橋通り、葛西橋通り、永代通り、国道357号と、複雑なルートを辿っています。

バイパス整備

近年、慢性的な渋滞が問題となっていた新宿駅周辺や池袋駅周辺のバイパス整備が進められています。新宿駅周辺では、甲州街道、新宿通り、靖国通りと交差する新宿4丁目交差点などを迂回するバイパスが2022年12月3日に開通しました。このバイパスには「千駄ヶ谷ぎょえんトンネル」も含まれ、地上部には歩道が整備されました。池袋駅周辺のバイパスは、池袋六又陸橋から千登世橋までの区間を迂回するもので、2028年3月の開通を目指して工事が進行中です。地上部と地下部を備えた二層構造となり、都電荒川線と交差するなど、複雑な設計となっています。

明治通りの未来

明治通りは、東京の都市発展と歴史を反映した道路です。今後も交通需要の変化や都市計画の進展に合わせて、その姿を変えながら、東京の街を支え続ける重要な役割を担っていくでしょう。

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