明石 (防護巡洋艦)

明石（あかし）

明石は日本海軍が保有した防護巡洋艦であり、「須磨」の姉妹艦として知られています。その名前は、播磨国明石郡にある景勝地「明石の浦」に由来しています。この艦は多くの洗練された設計改良を施され、当時の技術の粋を集めた軍艦として知られていました。

計画と建造

明石の建造は1893年3月15日に始まりました。横須賀での乙号巡洋艦の建造計画を受け、経費や竣工予定日などが検討されました。1895年5月27日、艦名が「明石」と決まったのち、同年11月8日に進水式を迎えました。その後、艤装が完了し、1899年3月30日に正式に日本海軍に引き渡されました。

艦型と設計

明石は、姉妹艦の須磨より2年遅れて建造されたため、若干の設計変更が行われました。船体は須磨より短縮され、弾薬の搭載数を増やすために排水量を増加させています。マストは木製の単檣に変更され、より安定した構造となりました。主機関は同じく直立型3気筒で構成され、出力は8,000馬力に設定されていますが、速力は19.5ノットに減少しました。

兵装の充実

明石は、様々な兵装を装備しており、特に安式15センチ速射砲と安式12センチ速射砲を搭載しています。さらに、魚雷発射管も装備されていましたが、機関砲の設置が中止された経緯があります。兵装の改良は戦闘能力を向上させるためであり、戦闘時の柔軟性を確保するために重要な要素でした。

艦歴と活動

明石は1900年代初頭から数多くの演習や戦闘に参加し、日露戦争では仁川沖海戦や日本海海戦に出動しました。戦後も日本海軍としての活動を続け、1914年には第一次世界大戦に参加し、南シナ海や地中海での作戦任務に従事しました。

転換と除籍

1921年に二等海防艦に類別変更された後、明石は1928年に除籍されました。その後、1930年には急降下爆撃実験の標的艦として用いられ、相模湾で沈没しました。このように、明石は日本海軍の艦艇としての歴史を刻み続けた艦船でありました。

明石は艦歴の中で多くの艦長の指揮を受け、さまざまな使命に応えてきました。明石の歴史は、艦船の設計や運用、そして艦隊戦術の進化を反映するものであり、日本海軍の発展に寄与した重要な存在として今でも記憶されています。

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