星まつり

星祭（ほしまつり）

星祭は、仏教、特に密教において行われる儀式で、人々の災厄を取り除き、幸福を祈願することを目的としています。「星供養」や「星供」、「北斗法」とも呼ばれます。

概要

星祭は、旧暦の元旦、立春、冬至などの時期に、天下国家の安寧や個人の災難を取り除くために行われます。密教においては、「一字金輪仏頂」を主尊とする『星曼荼羅』、七星如意輪観音を主尊とする『七星如意輪曼荼羅』、妙見菩薩を主尊とする『妙見曼荼羅』などを本尊として祀ります。これらの曼荼羅を通じて、その年の星の配置や、個人の本命星、当年星などを供養します。

この儀式の起源は中国の道教にあり、冬至の祭儀が仏教に取り入れられ、密教独自の要素が加えられたものとされています。密教占星法では、九曜星や北斗七星といった星々が人々の運命を司ると考えられており、個人の生まれ星である本命星を特定し、その星を供養することで運命を改善しようとします。また、一年ごとに巡ってくる「当年属星」も重要視され、これらの星々を供養することで、一年間の幸福を祈ります。

星祭は、全国の寺院で広く行われており、地域や宗派によって様々な形式や作法が存在します。参拝者は、自身の本命星や当年星を知り、それらの星に祈りを捧げることで、災厄を避け、幸福を招き寄せようとします。



参考文献

岩原諦信 著 『星供と其科学』、松本日進堂本店、昭和17年（1942年）刊。
矢野道雄 著 『密教占星術』 - 宿曜道とインド占星術 - 、東京美術、昭和61年（1986年）刊。
林温 著 『妙見菩薩と星曼荼羅』（日本の美術№377）、文化庁・東京国立博物館・京都国立博物館・奈良国立博物館 監修、至文堂、1997年刊。
武田和昭　『星曼荼羅の研究』　法藏館、1995年


関連項目

宿曜道
文殊師利菩薩及諸仙所説吉凶時日善悪宿曜経
北斗七星
陰陽道
妙見菩薩
大日如来
阿含の星まつり
後七日御修法

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