昭和電力

昭和電力株式会社の概要

昭和電力株式会社（しょうわでんりょくかぶしきがいしゃ）は、1926年に設立された日本の電力会社で、大同電力の傍系企業でした。主に関西地域に向けた電力の供給を目的とし、富山県から大阪府に至る長距離送電線を有し、北陸地方の発電所から発生した電力を大都市圏に供給しました。発電事業も行い、主に庄川水系と九頭竜川水系での電源開発を手掛けましたが、1939年に日本発送電に合併され、歴史の幕を閉じました。

設立の背景

昭和電力の設立は、第一次世界大戦後の大戦景気が終息に向かう中、関西地方での電力需要が急増したためでした。1919年に起きた電力不足を受けて、3つの起業計画が出されました。これにより設立された日本水力が北陸から関西への送電線計画を持ち、実際に富山県から関西にかけての長距離送電線を建設することとなりましたが、その後の戦後恐慌により計画は中断され、最終的には大同電力と日本水力が合併し、昭和電力が誕生しました。

事業の展開

昭和電力株式会社は、設立から間もなくして福井県の九頭竜川水系と富山県の庄川水系での発電所の建設に動き出しました。1927年には、庄川にある祖山発電所が着工され、1930年に送電を開始しました。この発電所は、長さ132メートル、高さ73.2メートルのダムを特徴としており、発電能力は最初の段階で4万5500キロワットに達しました。さらに、その電力は北陸送電幹線を通じて関西に供給されました。

また、昭和電力は九頭竜川水系でも新たな開発を進め、1936年から1939年にかけて、東勝原発電所と下打波発電所を建設しました。特に下打波発電所は1939年に完成し、出力は4,500キロワットに達しました。

これらの発電所や送電線は大同電力との密接な関係のもとで進められましたが、電力の効率的な管理と供給を図る中、昭和電力は1939年に日本発送電に合併されることとなりました。

合併とその影響

日本発送電との合併は、当時の電力国家管理の一環として行われました。昭和電力は、合併契約に基づき、北陸送電幹線や各発電所を日本発送電に出資することによって、その事業を引き継ぐ形となりました。これにより昭和電力は正式に日本発送電の子会社となったのです。この合併により、昭和電力は電力供給の効率性をさらなる次元へと引き上げることが図られました。

1943年には、昭和電力が起工していた小原発電所が、合併後の日本発送電によって完成されました。しかし、この時期は太平洋戦争の影響もあり、1939年の合併以降、日本発送電自体も1951年の電気事業再編成に伴い解散します。

結論

昭和電力株式会社は、日本の電力市場において重要な役割を果たした企業であり、関西地域への電力供給や水力発電の開発に寄与しました。合併を経て日本発送電に統合されることで、その事業と影響は継続されることとなり、結果として日本の電力事業の発展に貢献したといえるでしょう。

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