時雨 (白露型駆逐艦)

駆逐艦・時雨の歴史

時雨（しぐれ）は、日本海軍の白露型駆逐艦の2番艦であり、艦名は初代の機艦に由来します。彼女は1936年に竣工し、その後数々の重要な海戦に参加しました。特に日本海軍の名艦として知られる「雪風」と並び称され、多くの歴史的な出来事に名を刻んでいます。

建造と艦歴

時雨は、1933年に浦賀船渠で起工され、1935年に進水後、1936年に竣工しました。艦は横須賀鎮守府に所属し、初期は天皇陛下の御召艦である戦艦比叡の護衛任務を遂行します。特に北海道行幸の際には、直近まで天皇を護衛する艦隊の一翼を担う重要な役割を果たしました。

その後、時雨は大山事件や上海事変、さらにミッドウェー海戦やレイテ沖海戦など、日本が関与した多くの軍事作戦に参加します。特に1937年の第二次上海事変では、川内艦とともに中国軍に対して砲撃を行い、その活動の中で日本の艦隊の一部としての誇りを示しました。

「幸運艦」と「不滅艦」の称号

時雨は「幸運艦」、「不滅艦」としての評判がありました。この称号は、アメリカの海軍史研究者であるサミュエル・モリソンによって付けられ、彼の著作においてその名が登場します。彼女は多くの戦闘を生き延び、艦の撤退時に生存者を残すことが多かったため、「幸運」とも称されました。

沈没

1945年1月24日、時雨は輸送船の護衛中にマレー半島近海でアメリカの潜水艦の攻撃を受け、沈没しました。艦の最後は、戦争の激化とともにその戦歴に一つの区切りをつけるものでした。時雨の沈没は、当時の艦隊にとって大きな損失であり、以後の海軍作戦に影響を与えました。

現在の状況

現在、時雨の沈没地点はマレー半島コタバルの東方約150kmの水深55m地点にあり、その艦体は二つに分断されて沈んでいます。地元のダイバーや漁師によって時雨の海底での存在が語り継がれ、沈没船としてはダイビングスポットにもなっています。

機銃の装備

戦没前の時雨は、25mm3連装機銃や単装機銃を装備し、艦の防御を強化していました。また、艦には九三式水中聴音機と探信儀も装備され、戦闘に備えるための準備が整えられていました。

歴代艦長と艦の思い出

時雨の艦長たちはそれぞれの時代において艦を指揮し、歴史的な任務を遂行しました。「時雨」は多くの艦隊との合同任務を経て、数多くの艦と共に海戦を通じてその名を残しました。

このように時雨は、日本海軍の駆逐艦の中でも特に重要な役割を果たし続けた艦であり、その歴史は今後も語り継がれることでしょう。

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