智暹

智暹についての詳細

智暹（ちせん、1702年 - 1768年）は、江戸時代中期の浄土真宗本願寺派の僧侶であり、宗教界において大きな影響力を持つ人物でした。播磨国に生まれ、若霖に師事した智暹は、播磨真浄寺の住職を務めました。彼の生涯は、浄土真宗の教義に対する探求とその中での論争によって特徴づけられています。

適切な法線の後継者としての期待

智暹は、西本願寺の学林において4世能化とされる法霖の後を継ぐ人物として期待されていましたが、実際には義教がその役割を担いました。このことは智暹にとって残念な結果となりましたが、その後の彼の業績は、彼の知識と信仰の深さを物語っています。

明和の法論の発端

1764年、智暹は『浄土真宗本尊義』という著作を発表し、当時の学林で正統とされていた法霖の『方便法身義』に対して批判の声を上げました。この行為は、多くの議論を巻き起こしました。そして、1767年には、智暹は功存や智洞らとともに、浄土真宗本願寺派内で「明和の法論」と呼ばれる論争を引き起こすこととなります。この論争は、宗教的な立場や教義の解釈を巡るものであり、非常に重要な出来事でした。ここでの衝突は、智暹の教えの革新性と挑戦的な姿勢を示しています。

裁定とその影響

しかし、この法論は西本願寺第17世門主である法如によって裁定され、智暹側は敗北を喫することになります。その結果、彼の著作『浄土真宗本尊義』は本山から発禁されることになりました。この発禁は智暹の信念に対しての大きな挫折であり、同時に彼の思想が浄土真宗の中でどれほど重要であったかを示す証でもあります。

智暹の死とその後

智暹は1768年6月28日、67歳でこの世を去りました。彼の死後、発禁となった『浄土真宗本尊義』は改題され、『略述法身義』として再出版が許されました。これは智暹が死後もその思想が認められ、広まることを意味しています。

智暹の生涯と業績は、浄土真宗の発展において重要な役割を果たし、教義に対する新しい視点を提供するものでした。彼の影響は、時代を超えて多くの人々に受け継がれ、彼の名前は後世においても語り継がれることになるでしょう。

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