法如

法如（ほうにょ）は、江戸時代中期の浄土真宗の僧であり、浄土真宗本願寺派第17世宗主として知られています。西本願寺の住職を務め、諱は光闡、院号は信慧院、法印大僧正の位にありました。第13世宗主である良如の10男寂円を父に持ち、九条稙基の猶子となりました。母は円成院（法寿）であり、妻は如教（誠心院）です。また、第18世宗主となる文如は長男であり、他にも顕証寺住職となった闡教や法依といった子がいました。

生涯

法如は、播磨国亀山（現在の兵庫県姫路市）にあった本徳寺第8代住職、寂円（大谷昭尊）の次男として生まれました。得度後、河内国の顕証寺に入り、寂峰として顕証寺第11代を継職しましたが、その直後に本願寺第16世宗主であった湛如が急逝。後を継いだ弟の静如は問題が多く、間もなく引退したため、本願寺の歴代には含まれていません。このような状況下で、寛保3年（1743年）に37歳で顕証寺住職を辞し、法如として第17世宗主を継承しました。この際、慣例に従い内大臣であった九条稙基の猶子となっています。

83歳で亡くなるまでの47年間、宗主として宗門を統括しました。その間、明和の法論をはじめとする数々の安心問題に対処し、指導力を発揮しましたが、宗門内の派閥争いを完全に解消するには至りませんでした。主な業績としては、阿弥陀堂の再建や『真宗法要』などの書物の出版が挙げられます。また、男女合わせて30人の子をもうけ、有力寺院や貴族との姻戚関係を築くことにも尽力しました。

寛政元年（1789年）10月24日に示寂。その後、長男である文如が第18世宗主となりました。なお、法如の子である法依は、本徳寺第13代住職に就任しています。

阿弥陀堂再建

宗祖親鸞の五百回忌を前に、元和4年（1618年）に建立された阿弥陀堂の再建を計画しました。宗主就任後すぐに幕府に再建を働きかけ、約10年にわたる再建工事が進められました。旧阿弥陀堂は解体され、西山別院に移設（現存）。それまで、寛永10年（1633年）に建立された御影堂（現存）と比べて小さすぎた阿弥陀堂は、再建時に堂宇が拡張され、東西42m、南北45m、高さ25mとなりました。

年表

寛延元年（1748年） - 阿弥陀堂再建の口上書を幕府に提出し、阿弥陀堂再建の承認を得る。
宝暦元年（1751年） - 集会所に阿弥陀堂の諸尊像を移設。旧堂宇を西山別院に移建する願を幕府に提出。
宝暦4年（1754年） - 阿弥陀堂再建の地盤固めのため、妙法院大仏領境内地の砂利を使用。
宝暦5年（1755年） - 基礎の石築を開始。
宝暦6年（1756年） - 石築完成。
宝暦8年（1758年） - 再建の手法に紀伊大工の「鏡架構架法」を採用、立柱が建つ。
宝暦9年（1759年） - 阿弥陀堂上棟式、屋根の瓦葺開始。対面所を修理、経蔵を移転。
宝暦10年（1760年） - 阿弥陀堂落慶、宗祖影像を阿弥陀堂に遷し、御影堂の修復に着手。
明和元年（1764年） - 本尊「阿弥陀如来立像」を御影堂に遷し、堂内の塗箔工事等に着手。
明和3年（1766年） - 阿弥陀堂の塗箔工事など完了。本尊還座を終える。

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