曲励起

曲励起（まがり れいき）

1924年11月13日生まれ、三重県出身の囲碁棋士。岩本薫九段門下。

経歴

松阪市に生まれる。叔父の曲篤次郎は広瀬平治郎門下で、岩本薫の兄弟子にあたる。1934年、岩本薫に最初の弟子として入門し、内弟子となる。1942年初段、同年二段。1943年に徴用で石川島造船所に勤務、1944年に徴兵で中国へ出兵。1946年三段。

戦後、棋士としての活動を本格化。

1948年、日本棋院開館記念青年棋士選手権戦で準優勝。決勝で藤沢秀行に敗れる。1949年五段。1954年七段。1955年、第10期本因坊戦リーグ入り。その後、通算5期リーグ入りを果たす。1956年、第2期最高位リーグ戦入り。同年、第1期早碁名人戦で準優勝。決勝で坂田栄男に敗れる。1957年八段。

1959年、囲碁選手権戦で優勝。決勝で杉内雅男を破る。1961年、日中囲碁交流訪中団に参加。1974年九段。同年、日本棋院選手権戦ベスト4。1982年、棋聖戦最高棋士決定戦に出場。

1955年から57年に日本棋院理事を務めた。1975年には岩本薫とともにロンドン囲碁センター発会式など、1か月間訪欧。2005年6月に引退。

宮沢吾朗との第33期本因坊戦三次予選(決勝)の対局は、強烈な戦いの連続の碁であり、『打碁鑑賞シリーズ 宮沢吾朗』に収録されている。囲碁将棋チャンネルの番組『記憶の一局』で、下島陽平が「生涯の『記憶の一局』四局のひとつ」として紹介。また同番組で宮沢吾朗本人も自身の『記憶の一局』の一局としてあげた。

棋風

力戦・乱戦派として知られ、その激しい碁は多くのファンを魅了した。

タイトル歴

囲碁選手権戦 優勝（1959年）

その他の棋歴

青年棋士選手権戦 準優勝（1948年）
日本棋院早碁名人戦 準優勝（1956年）
囲碁選手権戦 準優勝・高松宮賞（1966年）
本因坊リーグ5期（1954、61、71、76-77年）
日中囲碁交流 8-0（1961年）

著作

『うそ手の発見』東京創元社 1956年
『俗筋の手直し-アマチュアの盲点を衝く』日本棋院 1956年
『やさしい碁の考え方-アマチュアの盲点を指摘する』日本棋院 1962年
『アマチュアの碁の盲点』実業之日本社 1963年
『俗筋を正しく』日本棋院 1964年
『囲碁の楽しみ方-早くあなたを初段にしたい』西東社 1966年
『囲碁の入門から初段まで』東栄堂 1967年
『現代囲碁大系〈第29巻〉曲励起・加納嘉徳・榊原章二・加田克司』1981年

外部リンク

日本棋院「曲励起」

もう一度検索