曲壽郎

曲壽郎の生涯：軍人から裁判官へ

曲壽郎（まがり としろう）は、1917年（大正6年）2月15日に生まれ、2012年（平成24年）12月12日に亡くなった、日本の軍人、陸上自衛官、簡易裁判所判事、弁護士です。長崎県大村市出身で、小学校教員の三男として生まれました。

軍人としての経歴

曲壽郎は、佐世保中学、東京陸軍幼年学校を経て陸軍士官学校に進み、1937年（昭和12年）に首席で卒業、恩賜の銀時計を授与されました。その後、砲兵少尉に任官し、野戦重砲兵連隊の中隊長としてノモンハン事件に出征しています。1941年（昭和16年）には陸軍科学学校を優等で卒業し、恩賜の軍刀を授与され、陸軍大学校卒業者と同等の資格を得ました。太平洋戦争中には陸軍大学校を卒業し、支那派遣軍の参謀として終戦を迎えています。

自衛官としての経歴

戦後、曲壽郎は警察予備隊に入隊し、1954年（昭和29年）には初の防衛駐在官としてワシントンに赴任しました。陸上自衛隊では第12師団長、防衛大学校幹事、陸上幕僚副長などを歴任し、1973年（昭和48年）には第11代陸上幕僚長に就任しました。これは陸上自衛隊の最高位にあたる役職です。

退官後の活動

1974年（昭和49年）に陸上幕僚長を退官した後、曲壽郎は簡易裁判所判事、そして弁護士として活躍しました。軍人、自衛官としての経験だけでなく、法律家としての知識も持ち合わせていたことが伺えます。

年譜

1937年（昭和12年）12月：陸軍士官学校を首席卒業、恩賜の銀時計拝受
1938年（昭和13年）1月：陸軍砲兵少尉に任官
1939年（昭和14年）7月：野戦重砲兵第1連隊中隊長
1941年（昭和16年）7月：陸軍科学学校高等科を優等卒業、恩賜の軍刀拝受
1944年（昭和19年）7月：陸軍大学校卒業、第13軍作戦参謀
1945年（昭和20年）8月：支那派遣軍参謀
1951年（昭和26年）10月：警察予備隊に入隊
1954年（昭和29年）5月：在アメリカ合衆国日本国大使館在勤
1973年（昭和48年）2月：第11代陸上幕僚長に就任
1974年（昭和49年）7月：退官
1975年（昭和50年）4月：東京簡易裁判所判事
1985年（昭和60年）5月：弁護士登録
1987年（昭和62年）4月：勲二等瑞宝章受章
2012年（平成24年）12月12日：死去

曲壽郎は、軍人、自衛官、裁判官、弁護士という多様なキャリアを歩み、日本の歴史に大きな足跡を残しました。その功績は、勲二等瑞宝章の受章からも伺えます。

栄典

勲二等瑞宝章 (1987年)

参考資料

秦郁彦 編著『日本陸海軍総合事典』（第2）東京大学出版会、2005年

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