曹玹

曹玹（そう けん、生没年不詳）は、後漢時代末期に生きた人物であり、魏の礎を築いた曹操を父に持ちます。母は秦夫人であり、同母弟には曹峻がいます。

事績としては、建安16年（211年）に西郷侯に封じられましたが、残念ながら子を儲けることなく若くして亡くなりました。そのため、爵位は一時途絶えることになります。建安20年（215年）には、甥にあたる曹賛が爵位と領地を受け継ぎましたが、彼もまた早逝してしまいます。

その後、魏の時代に入り、曹丕の治世において、曹賛の弟である曹壹が再び跡を継ぐこととなりました。曹壹は黄初2年（221年）に済陽侯に封じられ、さらに黄初4年（223年）には済陽公へと爵位を進めています。

曹玹の功績は後世にも認められ、太和4年（230年）には遡って爵位が贈られ、懐公と諡られました。さらに、太和6年（232年）には懐王へと進爵されています。

羅貫中の小説『三国志演義』においては、曹玹は登場しません。これは、彼の生涯があまり史実として残されていないこと、また、物語の展開に大きく影響を与える人物ではなかったためと考えられます。

このように、曹玹は曹操の子でありながら、その生涯は比較的短く、歴史の表舞台に立つことはありませんでした。しかし、彼の子孫である曹壹が爵位を継ぎ、魏の時代に活躍したこと、そして没後に懐公、懐王と追贈されたことからも、曹操の一族としての重要な役割を果たしていたことが伺えます。

参考文献
* [陳寿]]撰、裴松之注『三国志』巻20 濟陽懷王玹伝([中国語版ウィキソース)

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