曼荼羅寺 (善通寺市)

曼荼羅寺の概要

曼荼羅寺（まんだらじ）は、香川県善通寺市吉原町に位置する真言宗善通寺派の寺院で、我拜師山（がはいしざん）および延命院（えんめいいん）とも呼ばれています。この寺院は四国八十八箇所の第72番札所であり、本尊には大日如来が祀られています。

本尊および真言

本尊の真言は「おん あびらうんけん ばさらだどばん」とされ、信者たちはこの真言を用いて祈りを捧げます。また、曼荼羅寺には特有のご詠歌があり、「わずかにも曼荼羅おがむ人はただ　ふたたびみたびかえらざらまし」という歌が詠まれています。

歴史的背景

曼荼羅寺は、空海（弘法大師）の出身氏族である佐伯氏の寺院として、推古天皇4年（596年）に創建されたと伝えられています。設立当初は世坂寺（よさかじ）と称されていましたが、その後空海が唐から持ち帰った両界曼荼羅を奉納し、大日如来を本尊として再興し、母の菩提寺となったため、曼荼羅寺と改称されたとされています。

寺院は鎌倉時代には後堀河天皇から寺領を与えられるほど栄えましたが、永禄3年（1560年）には阿波の三好実休による火災で焼失し、その後も慶長年間に戦火に見舞われました。しかし、その後の復興を遂げています。空海が自ら植えたとされる「笠松（不老松）」は2002年に松くい虫の被害で伐採されました。

伽藍の構成

曼荼羅寺には多くの興味深い建物があります。

• - 山門（仁王門）: 寺院に入る際の入口。
• - 本堂: 毎年彼岸の中日に本尊である金剛界大日如来が開帳され、多くの信者が参拝に訪れます。
• - 大師堂: 空海の像が奉納され、信者はその姿を拝見できます。
• - 観音堂: 聖観音立像や金色の胎藏大日如来像が展示されています。
• - 護摩堂: 中央には不動明王坐像が安置されており、両脇には五大明王像が並んでいます。
• - 八幡宮: 平成2年に移転改築され、拝殿と奥殿があります。
• - 地蔵堂: 延命地蔵立像があり、信者に親しまれています。
• - 水子地蔵石像や愛染堂など、多様な信仰対象が揃っています。

これらの建物は、参拝者にとって心を落ち着かせる空間を提供しています。山門をくぐって本堂に進むと、左に大師堂、右に納経所が見えます。

駐車場とアクセス

駐車場は山門の横に有料で設けられており、普通車の場合は200円です。過去には無料駐車場がありましたが、現在は廃業した旅館跡地を利用しているため、有料となりました。

アクセスの際は、四国旅客鉄道（JR四国）の土讃線・善通寺駅から徒歩約4.5kmです。また、香川県道48号善通寺詫間線からは約0.5km、高松自動車道善通寺ICからは約6.2kmの距離にあります。

文化財

曼荼羅寺は国の史跡に指定されており、訪れる人々にとってその歴史を感じる重要な場所となっています。また、県指定の文化財として平安時代後期の木造聖観音立像が1955年に指定されています。

周辺には七仏寺や五岳山の石仏など、更なる霊場が点在しており、信者にとって巡礼の際の見どころも豊富です。

これらの要素を併せ持つ曼荼羅寺は、歴史と文化が息づく寺院として多くの参拝者に愛されています。

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