月は上りぬ

月は上りぬ

『月は上りぬ』は、1955年に公開された田中絹代監督によるモノクロ映画です。女優として名高い田中絹代が監督を務めた6作品の中の2作目にあたります。2021年には第74回カンヌ国際映画祭クラシック部門に選出され、同年の第34回東京国際映画祭 日本映画クラシックス 田中絹代監督特集でも上映されました。

概要

舞台は古都・奈良。笠智衆演じる未亡人の浅井茂吉と、その娘たち（長女・千鶴、次女・綾子、三女・節子）を中心に、彼女たちを取り巻く人々の人間模様が描かれています。小津安二郎が脚本に参加している点も注目されています。

スタッフ

製作: 児井英生
企画: 日本映画監督協会
監督: 田中絹代
脚本: 斎藤良輔、小津安二郎
撮影: 峰重義
音楽: 斎藤高順
美術: 木村威夫
録音: 神谷正和
照明: 藤林甲
編集: 近藤光雄
助監督: 齋藤武市
製作主任: 林本博佳

キャスト

浅井茂吉: 笠智衆
高須俊介: 佐野周二
浅井千鶴: 山根壽子
浅井綾子: 杉葉子
浅井節子: 北原三枝
雨宮渉: 三島耕
安井昌二: 安井昌二
米や: 田中絹代
田中豊: 増田順二
文や: 小田切みき
慈海: 汐見洋

テレビドラマ

『月は上りぬ』は過去に2度、テレビドラマとしてリメイクされています。

1962年6月21日、28日: NTV『武田ロマン劇場』にて放送。大空真弓、杉浦直樹らが出演。
* 1964年11月8日: NET『明星女性劇場』にて放送。南風洋子、清水まゆみらが出演。

評価

田中絹代の監督としての才能が光る作品であり、小津安二郎の脚本、笠智衆をはじめとする俳優陣の演技も見どころです。古都の風景を背景に、繊細な心理描写が展開され、見る者の心に深く残る作品と言えるでしょう。

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