有明 (列車)

特急「有明」：九州を駆け抜けた特急列車の歴史

特急「有明」は、かつて九州旅客[[鉄道]]（JR九州）が鹿児島本線を中心に運行していた特急列車です。1967年の運行開始から2021年の廃止まで、半世紀以上にわたり九州の主要都市を結び、多くの人々に利用されてきました。この記事では、「有明」の歴史、運行概況、使用車両、そして鹿児島本線の優等列車沿革について詳しく解説します。

「有明」の概要

特急「有明」は、1967年10月に九州内で運転する特急としてデビューしました。福岡、熊本、鹿児島といった九州の主要都市を結び、特にこれらの県庁所在地間の移動手段として重要な役割を果たしました。1970年10月には鹿児島本線の電化に伴い、電車での運行を開始。1975年3月に山陽新幹線が博多まで開業すると、新幹線との接続を考慮したダイヤとなり、鹿児島本線の基幹列車としての地位を確立しました。

1992年7月のダイヤ改正では、西鹿児島（現・鹿児島中央）発着の列車が「つばめ」として系統分離されました。残った「有明」は、北九州・福岡大都市圏・熊本都市圏を主要な輸送エリアとし、豊肥本線への乗り入れや小倉駅への乗り入れなど、「つばめ」とは異なる独自の路線を歩みました。九州新幹線（鹿児島ルート）の部分開業後は、「リレーつばめ」に対する補完列車としての役割を担い、2011年3月12日の九州新幹線全線開業後は、本数と区間を縮小し、主にホームライナー的な役割を担っていました。

2018年3月17日のダイヤ改正では、さらに本数と区間が縮小され、大牟田駅から博多駅へ向かう平日上り1本のみの運転となりました。そして、2021年3月13日のダイヤ改正をもって、54年の歴史に幕を閉じました。

列車名の「有明」は、一部区間で列車が沿って走る有明海に由来します。この名称は公募によって決定されました。

運行概況

最終運行時の車両は、南福岡電車区所属の787系でした。2018年3月改正以降は、平日朝に大牟田発博多行きの列車が1本のみ運行され、土日祝日は運休していました。これは、定期運行を行っているJR特急列車としては最も少ない運行本数でした。

九州新幹線全線開業以前は、博多～熊本間を「リレーつばめ」と合わせて1時間に3本の割合で運行し、大半の列車が豊肥本線に乗り入れていました。また、1時間に1本は小倉駅発着で運転され、「ソニック」と合わせて小倉～博多間でも1時間に3本の特急列車が運行されていました。

九州新幹線全線開業時には、博多～荒尾駅間に快速列車を増発し、大牟田駅～熊本・八代駅間には「くまもとライナー」を、豊肥本線内には「豊肥ライナー」を新設し、実質的な代替措置としました。しかし、「豊肥ライナー」は2013年3月16日改正、「くまもとライナー」は2015年3月14日改正で、それぞれ各駅停車に格下げされる形で運行を終了しました。小倉～博多間については「きらめき」として存続し、運行頻度を確保していましたが、2018年3月17日改正で「きらめき」の日中運行は廃止されました。

最終停車駅

大牟田駅
瀬高駅
羽犬塚駅
久留米駅
鳥栖駅
博多駅

新幹線併設の筑後船小屋駅や、かつて停車していた二日市駅は通過していました。

使用車両

主に南福岡車両区に所属する787系電車が使用されていました。普通車は全車自由席で、「かもめ」や「みどり」で用いられるDXグリーン席・グリーン個室連結の7両編成で運転されていました。

過去には、581系・583系、481系・485系、783系（ハイパーサルーン）などが使用されていました。特に783系は、1988年に「スーパー有明」としてデビューし、JR史上初の「スーパー」の称号を持つ列車として話題になりました。

鹿児島本線優等列車沿革

「有明」の登場以前から、鹿児島本線には様々な優等列車が運行されていました。戦後には準急「有明」が登場し、その後急行「さつま」や「フェニックス」などが運行されました。1967年には、特急「有明」がキハ82系気動車で運行を開始し、鹿児島本線の優等列車の歴史に新たな1ページを加えました。

終焉とその後

特急「有明」は、2021年3月13日のダイヤ改正で廃止となりました。しかし、その名は今もなお、九州の鉄道史に深く刻まれています。2025年には、ピクミンシリーズとのコラボで特急「ピクミン号」が博多～熊本間で運行され、鉄道ファンやゲームファンを魅了しました。

「有明」は、九州の発展と共に歩み、多くの人々の思い出を運びました。その功績は、これからも語り継がれていくことでしょう。

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