有栖川宮織仁親王

有栖川宮織仁親王について

有栖川宮織仁親王（ありすがわのみや おりひとしんのう）は、江戸時代後期の皇族であり、世襲親王家の一つである有栖川宮の第6代当主です。霊元天皇の皇子である有栖川宮職仁親王の第七王子として生まれました。また、最後の征夷大将軍である徳川慶喜の外祖父としても知られています。

幼名は寿手宮（すてのみや）といい、宝暦12年（1762年）に桃園天皇の猶子となり、翌年には親王宣下を受けました。宝暦14年（1764年）には兵部卿、明和7年（1770年）には中務卿に就任するなど、朝廷において重要な役職を歴任しました。文化8年（1811年）には一品に昇進し、翌年には出家して竜淵と号しました。

書道にも造詣が深く、九条尚実に師事し、その書は「有栖川流手本」として後世に伝えられています。文化人としての側面も持ち合わせていました。

子女

織仁親王は、鷹司輔平の娘である鷹司富子を妃に迎え、多くの子女をもうけました。また、家女房として八重嶋、常盤木、千坂、清瀧がいました。以下に主な子女を記します。

第1王女：孚希宮・織子女王 (1780-1796) - 浅野斉賢正室
第2王女：栄宮・幸子女王 (1782-1852) - 毛利斉房正室
第1王子：高貴宮 (1776-1777)
第2王子：阿計宮・有栖川宮韶仁親王 (1785-1845) - 後を継ぎ有栖川宮第7代当主となる
第3王女：淑宮・大儀文成 (1787-1846)
第4王子：亀代宮・舜仁法親王 (1789-1831) - 10代輪王寺宮門跡
第5王女：幾宮 (1790-1791)
第7王女：美保宮・煕子女王 (1792-1817)
第8王女：楽宮・喬子女王 (1795-1840) - 徳川家慶御台所
第3王子：永宮・承真法親王 (1787-1841)
第4王女：繁宮 (1789-1790)
第6王女：千鶴宮・尊照栄暉 (1792-1845)
第9王女：弥宮 (1795-1796)
第5王子：誠宮・済仁法親王 (1797-1847)
第11王女：嘉寧宮・苞子女王 (1798-1819)
第10王女：寿宮 (1796-1807)
第6王子：綽宮 (1798)
第7王子：万信宮 (1800)
第8王子：種宮・尊超入道親王 (1801-1852)
第12王女：登美宮・吉子女王 (1804-1893) - 徳川斉昭正室、徳川慶喜生母


このように、織仁親王は多くの子女に恵まれ、その子孫は皇室や将軍家と深く関わっています。特に、娘である吉子女王が徳川慶喜の母となったことは、幕末の歴史において重要な意味を持ちます。有栖川宮家は、織仁親王の時代にその影響力を高め、日本の歴史に大きな足跡を残しました。

参考資料

『織仁親王』 - コトバンク
『親王・諸王略傳』織［織仁］

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