有田川 (大分県)

有田川について

有田川（ありたがわ）は、大分県玖珠郡玖珠町と日田市を流れ、筑後川水系の一部である花月川の支流となっている重要な河川です。川は、一級河川として指定されており、その水源は日田市の月出山岳にあります。

地理

有田川の水源は標高708.7メートルの月出山岳で、西へ向かって流れ、日田市の北部にある市街地で三隈川に合流します。この合流点は、筑後川の上流となる重要な場所でもあり、有田川の流域の地形や水流の特性に大きな影響を与えています。

自然

有田川は豊かな生態系を持ち、多様な魚類や鳥類が生息しています。特に、絶滅危惧IB類に指定されているオヤニラミが確認されており、ほかにもカワムツ、オイカワ、ウグイ、カマツカ、ドンコなどの魚が生息しています。加えて、カワセミやハイタカといった絶滅危惧種も見られ、ツバメやスズメ、ムクドリ、カワラヒワなども目にすることができます。これらの生物は、豊かな自然環境を支える重要な存在です。

水害と対策

しかし、有田川は過去に大規模な水害の影響を受けています。1995年7月および2001年7月には浸水被害が発生し、さらに2012年7月3日には梅雨前線豪雨によって護岸が決壊し、氾濫が起こりました。この時、沿川の835戸が浸水し、観測史上最高の水位を記録しました。また、同月14日には九州北部豪雨による再びの氾濫がありました。

これらの水害を受けて、有田川は国の河川激甚災害対策特別緊急事業に採択され、2016年度までに完工を目指す複数の対策事業が実施される予定です。具体的には、流木が集積して氾濫の原因となっている日掛橋の架け替えと、川幅の拡幅が計画されています。新しい橋は橋脚のない構造にし、約60センチメートルの高さの増加が見込まれています。また、日掛橋から下流800メートルの左岸部分は4.4メートルから7.5メートル広げ、最大で約30メートルの川幅が確保されることになっています。この他、川原田井堰の改築や川底の掘削作業も計画されています。

流域の自治体と支流

有田川が流れる地域には、大分県の玖珠郡玖珠町と日田市が含まれています。また、主な支流としては求来里川や熊尾川（熊ノ尾川）があります。

交通手段

有田川の流域には、道路も整備されており、大分県道48号日田玖珠線や大分県道407号白地日田線が並行しています。これにより、地域住民や観光客にとって利用しやすい交通インフラが提供されています。

有田川はその自然の豊かさと同時に、過去の水害による教訓を活かした対策が求められる地域でもあります。

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