有馬是馬

有馬是馬（ありま これま）

有馬是馬は、1906年3月25日に東京で生まれた日本の俳優であり、本名は牟田口茂でした。当初は有馬茂明という名前で活動していましたが、後に改名しました。サイレント映画時代から京都の撮影所でスタッフとして働き、その後喜劇役者へと転身。「ムーランルージュ」への参加をきっかけに、その才能を開花させました。

生涯

初期

1906年、東京市に生まれた有馬は、京都の日活大将軍撮影所で照明スタッフとしてキャリアをスタートさせました。当時からその人柄で撮影所の人気者だったようです。

俳優への転身

1928年6月、喜劇俳優の中根龍太郎が独立して「中根龍太郎喜劇プロダクション」を設立。有馬は、東亜キネマ京都撮影所にいた榎本健一と共にこれに参加し、22歳で俳優としての道を歩み始めます。中根プロには、後に映画監督となる小崎政房や、大乗寺八郎となる前の千葉三郎なども在籍していました。中根プロは3本の喜劇映画を製作した後解散。有馬は中根、小崎と共に中根の妻の実家がある佐賀県唐津へ行き、浪曲一座に参加しました。

同年暮れ、中根が松竹下加茂撮影所に迎えられると、有馬と小崎も中根の推薦で入社。しかし、有馬は1929年に退社し、レビュー一座を立ち上げ巡業を開始しました。

ムーランルージュ時代

1931年12月31日、東京に「ムーランルージュ」が開業すると、有馬はこれに参加し舞台に立ちます。芸名の「有馬是馬」は、劇場の経営者であった佐々木千里が名付け親です。

1934年にはP.C.L.映画製作所製作の映画『続・只野凡児』に出演。1935年には新興キネマ東京撮影所に入社し、『国境の町』などに出演しました。1937年頃には「ムーランルージュ」に戻ったり、全国を旅回る生活を送っていたようです。明日待子を発掘したり、望月優子の相談に乗るなど、面倒見の良い一面もありました。1939年には、小崎政房がいた大都映画でオリジナル脚本を執筆しています。

戦後

第二次世界大戦後、1950年代には大映、東映、新東宝などの映画会社で脇役として出演。しかし、タクシーに轢かれる事故に遭い、失語症を患ったことで俳優活動が困難となりました。1959年の『おトラさんのホームラン』が最後の出演作となりました。

1963年8月20日、新宿区大久保で死去。57歳という若さでした。彼の死を悼み、友人たちが偲ぶ会を開いた際には、多くの人々が集まったといわれています。

主な出演作品

• - 続・只野凡児 (1934年)
• - 国境の町 (1935年)
• - 街の艶歌師 (1936年)
• - 歌う弥次喜多 京大阪の巻 (1937年)
• - 密林の女豹 (1950年)
• - 今日は会社の月給日 (1952年)
• - たそがれ酒場 (1955年)
• - 幽霊タクシー (1956年)
• - 極楽第一座 アチャラカ大当り (1956年)
• - おトラさんのホームラン (1958年)

有馬是馬は、その独特なキャラクターと演技で、昭和の映画や演劇界に確かな足跡を残しました。

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