服部之総

服部之総について

服部之総（はっとり しそう、1901年9月24日 - 1956年3月4日）は、日本の著名な歴史学者であり、マルクス主義歴史学や歴史哲学、現代史に関して多大な貢献をしました。彼は島根県で生まれ、東京帝国大学で学び、社会学の分野で抜群の成績を収めました。卒業後は、大学の副手や歴史関連の研究所で活躍し、さまざまな社会運動とも関わりを持っていました。

彼の経歴は豊かで、著名な指導者たちと交流を持ちながら成長し、1925年に東京帝国大学文学部社会学科を卒業しました。在学中には志賀義雄や大宅壮一とともに東大新人会に所属し、その活動を通じて多様な思想と視野を広げていきました。しかし、副手として先輩教授の戸田貞三との関係がうまくいかず、すぐに社会学教室を離れることになったものの、その後も研究活動を続け、重要な執筆活動を行います。

1928年には共産党弾圧に関与しながらも、経済史における立場を明確にし、『明治維新史』を発表しました。また、1932年から発行された『日本資本主義発達史講座』の一員として、さまざまな論争を繰り広げ、特に土屋喬雄との論争は歴史学界における重要な出来事となりました。服部は、明治維新時の経済を「マニュファクチュア時代」と捉え、これが日本の産業革命につながったことを示しましたが、土屋はこれに対して異なる立場からの批判を行います。

1936年には花王石鹸から委嘱を受け、社史を編纂し、続いて上海への赴任が決定しましたが、戦時中の困難な状況により執筆活動を一時停止せざるを得なくなりました。その後、戦後は新たな教育機関の創設に関わり、1946年には鎌倉大学校の教授に就任し、学界への復帰を果たしました。1949年には日本共産党に入党しますが、翌年には離党し、その後も日本近代史研究会の設立に寄与しました。

彼の学問的貢献は後に法政大学においても続き、1952年には同校の教授として「社会学理論」の授業を担当しました。1955年に受賞した毎日出版文化賞など、彼の業績は広く認められています。しかし晩年は神経衰弱に悩まされ、1956年に惜しまれながらこの世を去りました。

著作

服部之総は、歴史に関する多くの著作を残しており、特に次のような代表的著作があります：

• - 『服部之総著作集』全7巻
• - 『服部之総全集』全24巻
• - 『服部之総・人と学問』
• - 『歴史家 服部之総　日記・書翰・回想で辿る軌跡』

彼の研究は、経済だけでなく、社会や政治の視点からも幅広く影響を与えており、今なお歴史学界において継承されています。著作や研究成果を通じて、服部之総の名は歴史学の重要人物として記憶されています。

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