望月国親

望月国親の生涯とその功績

望月国親（もちづき くにちか）は、平安時代末期に名を馳せた武士で、滋野御三家の一員として歴史に名を刻みました。彼は信濃国佐久郡に位置する望月城の城主であり、滋野御三家望月家の8代目棟梁にあたります。国親は、望月国重（望月蔵人頭）の次男であり、その出自には家族の多くが武士として活躍した歴史があります。

出自と家系

望月氏の始まりについては諸説あり、望月重俊に始まるとされています。また、望月則重（重俊の後代）の系譜から続く望月家は、重要な武士政権の担い手として名を馳せていました。このような背景を持つ国親は、武士としての血筋を受け継ぎながら、時代における大きな流れのなかで自己の存在感を確立していくこととなります。

挙兵の背景

国親が源義仲に従軍した理由は、その家名と影響力に由来します。望月家は地元の農業を支え、同時に1500頭の馬を所有しており、その軍事力は同時期の海野氏や祢津氏を凌駕していました。これにより、源義仲にとって彼らの協力は不可欠であり、望月家が軍勢を組織する際には多くの民を動員する能力が大きな要因として働いていたのです。

実際、国親は治承4年（1180年）に義仲の挙兵に際して、その長男や次男たちと共に従軍し、望月家は滋野党の中心として重要な役割を果たしました。治承5年には、彼が率いる軍勢は木曾軍と合流し、平家方の連合軍に対抗して大勝を収めることに成功します。

平家との関わり

望月国親は、中原家との関係を通じて平家との繋がりも持っていました。信濃の領主として地元の大名と交流を持ちながら、平家の家人である中原兼遠との縁が信濃における政治的な絆を深めていました。さらに、国親の家系と平家との過去の共闘関係が、後の引き渡し要求を拒否する土台を形成していました。

義仲と国親の連携

源義仲と源頼朝の関係が悪化する中、義仲は国親とその一族の支援を重要視しました。義仲の嫡男・義高と頼朝の娘・大姫との婚姻を通じて、彼は義仲に従う望月家をさらに強固なものにし、滋野一族の結束を図りました。これにより、彼らの軍事的影響力はより一層強化されていきました。

最期の戦い

国親の人生は、その後の戦闘での活躍を経て悲劇的な結末を迎えます。主要な戦いを共にした木曾の旗挙から、水島の戦いを経て、法住寺合戦や瀬田の戦い、宇治川の戦いにおいても彼の存在は大きいものでした。しかしながら、最終的には粟津の戦いで殿軍を務め、壮絶な戦闘の中に討ち死にします。

まとめ

望月国親は、平安時代末期の日本において重要な武士の一人であり、滋野御三家の一員として盟友源義仲と共に数々の戦いに身を投じました。その生涯は、家族の背景や時代の変遷と密接に絡まり、今もなお多くの歴史愛好者に感動を与えるものです。彼の武士としての姿勢や軍事的才能は、当時の武士の在り方の一端を示すものとして、後世に語り継がれていくことでしょう。

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