朝乃涛誠

朝乃涛誠（あさのなみ まこと）は、1971年6月19日に青森県北津軽郡中泊町で生まれた元大相撲力士です。本名は太田誠（おおた まこと）。若松部屋に所属し、身長187cm、体重140kgという恵まれた体格を活かした力士でした。得意技は左四つ、寄り。血液型はB型です。

小学校時代から相撲を始め、五所川原農林高校時代には全国大会に出場するなど、その才能を発揮していました。高校卒業と同時に、若松部屋に入門。1990年3月場所に初土俵を踏みました。その年の7月場所では、序ノ口優勝を果たすなど、順調に番付を上げていきました。幕下上位でやや苦労する時期もありましたが、1993年1月場所には同部屋の朝乃若（現・若松親方）と共に十両に昇進しました。

朝乃涛の相撲は、NHKの大相撲中継で「野性的な相撲」と評されたほどの速攻の四つ相撲が特徴でした。特に前褌を取ると力を発揮し、その場所では10勝5敗と終盤まで優勝争いに加わりました。しかし、翌3月場所前に右膝を故障し、途中休場を余儀なくされました。怪我の回復が不十分なまま5月場所に出場したところ、中日の取り組みで反対の左膝の十字靱帯を断裂。再び長期休場を余儀なくされました。この怪我の影響で番付は序二段160枚目まで落ち、十両経験者としては昭和以降当時3位という、非常に低い記録となりました。

その後、幕下まで番付を戻しましたが、幕下に定着することができず、1999年7月場所を最後に現役を引退しました。通算成績は199勝166敗52休、勝率は.545です。十両成績は17勝19敗9休、勝率は.472でした。現役在位は57場所、十両在位は3場所でした。各段優勝は、序二段優勝を1回（1996年3月場所）、序ノ口優勝を1回（1990年5月場所）記録しています。

現役時代には、太田誠（1990年3月場所 - 1992年9月場所）、朝乃涛誠（1992年11月場所 - 1995年3月場所）、朝太田誠（1995年5月場所 - 1999年7月場所）と3度の改名を経験しました。

朝乃涛誠は、恵まれた体格と持ち前の速攻相撲で、序ノ口から十両まで駆け上がりました。しかし、度重なる怪我に泣かされ、その才能を十分に開花させることができませんでした。それでも、彼の相撲は多くのファンを魅了し、記憶に残る力士の一人です。

主な戦績
通算成績：199勝166敗52休 勝率.545
十両成績：17勝19敗9休 勝率.472
現役在位：57場所
十両在位：3場所

各段優勝
序二段優勝：1回（1996年3月場所）
序ノ口優勝：1回（1990年5月場所）

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