朝倉在重 (石見守)

朝倉在重の生涯と業績

江戸時代前期に生きた朝倉在重（あさくら ありしげ）は、当時の日本の政治と軍事において重要な役割を果たした旗本の一人です。通称は仁左衛門であり、石見守を名乗っていました。彼の父、朝倉河内守在重も同名であり、その家系は武士としての尊厳を持っていました。兄の朝倉宣正は、徳川忠長の御附家老を務めていたため、朝倉家は江戸幕府内での影響力を持った一族でした。

来歴

在重は、初め徳川秀忠に仕官し書院番士としての職務を開始します。その後、膳番へと転職し、大坂夏の陣では親族の牧野忠成に同行して出陣しました。彼の軍に対する献身的な姿勢は評価され、寛永2年（1625年）7月には500石の加増を受け、目付に昇進します。さらに、寛永7年（1630年）には使番として1000石が与えられ、その後の昇進も順調に進みました。

寛永9年（1632年）、加藤忠広が改易された際には、八代城の受け渡しという重要な任務を任されました。この任務を無事に遂行し、熊本藩主となった細川忠利の家臣、有吉立道に城を引き渡すことに成功しました。

寛永10年（1633年）には、さらに2000石の加増を受け、寛永16年（1639年）には江戸北町奉行に任命されます。特筆すべきは、寛永18年（1641年）に3000石以上の大身旗本にのみ許される守名乗りを特別に許された点です。在重は名実ともに一流の武士としての地位を確立しました。寛永19年（1642年）には、幕閣のメンバーとして、飢饉対策を命じる文書に老中・松平信綱らとともに署名しており、重要な政策に関わる存在であったことが分かります。

在重は、慶安3年（1650年）11月19日に68歳でこの世を去ります。彼の墓所は四谷の全勝寺に位置し、法名は要玄院的翁松瑞と名付けられました。その後、家督は嫡男の重成が継承しました。

系譜

朝倉在重の家族は、武士の家に相応しい系譜を持っていました。

• - 父：朝倉在重（1545年 - 1615年）- 河内守
• - 母：末高正長の娘
• - 室：越後長岡藩牧野家家臣 牧野五郎兵衛の娘
• - 嫡男：朝倉重成（1615年 - 1676年）
• - 女子：旗本牧野儀成室（他に女子数名）
• - 次男：朝倉重興（？ - 1677年）- 重朝
• - 三男：朝倉重利（1634年 - 1659年）-

重利は8歳で将軍世子であった徳川家綱の御小姓に選ばれるなど、彼の子息たちもまた、父の名声を引き継ぐ形で各々の役職に就き、朝倉家の名をさらに広めていきました。

朝倉在重の生涯は、江戸時代の武士としての理想像とも言えるものであり、彼の足跡は、当時の政治と軍事に大きな影響を残しました。

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