朝日自動車グループ

朝日自動車グループ

朝日自動車グループは、東武鉄道（東武グループ）傘下のバス・タクシー事業を統括する企業グループです。朝日自動車株式会社が中心となり、関東地方の広範囲にわたる地域で事業を展開しています。

概要

営業エリアは、東京都23区北東部、埼玉県、群馬県、栃木県、千葉県北西部、茨城県南西部と、関東地方の広範囲に及びます。東武鉄道グループのバス事業は、東武バスとその地域子会社、そして朝日自動車グループ傘下の各社に大別されます。タクシー事業は、全て朝日自動車グループに属しています。

「朝日自動車グループ」という括りは、東武グループ内での事業統括上のもので、2000年代以降のバス事業再編の中で生まれました。2017年には、グループ共通の取り組みとして「朝日自動車グループ共通学生フリーパス」が発売され、一部路線を除く5社の路線バスで使用できます。

朝日自動車、川越観光自動車、国際十王交通の3社は、埼玉県から国民保護法に基づく指定地方公共機関に指定されています。かつてはタクシー専業の事業者も属していたため、「朝日バスグループ」と呼ばれることもありました。

沿革

東武鉄道グループは、沿線を中心に多数のタクシー事業者を傘下に収めていましたが、統括が難しくなったため、朝日自動車を統括事業者としてグループを形成しました。

一方、東武鉄道直営のバス事業は、1970年代以降のモータリゼーションや人口流出の影響で縮小傾向にありました。1980年代以降、北関東3県で路線廃止が進み、収益が見込める路線や自治体の補助金で維持できる路線が残されました。これらの路線は、傘下のバス事業者へ移管されるようになりました。

2000年頃からは、埼玉県や千葉県でも東武バスの路線撤退が始まり、営業所ごとグループ会社へ移管する方式が増えました。2002年には、東武鉄道が東武バス株式会社を設立し、直営バス事業を分社化。2003年には、朝日自動車を統括事業者として、バス事業者をまとめることを決定しました。

その後、朝日自動車主導でグループ内再編が進み、1990年代後半以降、23事業者から11事業者に再編されました。バス事業の規制緩和により貸切バス部門の採算性が低下したため、観光地を運行エリアとする一部の会社を除き、観光バスを大幅に減車しました。

2010年代に入ると、タクシー事業者の再編が始まり、金龍自動車交通を売却。また、関越交通や朝日自動車、日光交通、国際十王交通の各営業所でタクシーの営業を廃止し、事業譲渡しました。金龍自動車交通の売却により、東武グループにタクシー専業事業者は存在しなくなりました。

グループ事業者

朝日自動車グループには、以下のバス・タクシー事業者が属しています。

朝日自動車
関越交通
川越観光自動車
阪東自動車
茨城急行自動車
日光交通
国際十王交通
東北急行バス
* 桐生朝日自動車

車両

路線バスは、白地に赤い半円と青いラインで構成された共通デザインを採用しています。ブランド名が斜体で記載されており、事業者によって多少差異があります。観光・高速バスは、オレンジを基調とした東武グループ観光車統一デザインが採用されています。タクシーは、各社独自ののデザインを導入しています。

PASMOの導入状況

PASMOは、朝日自動車、川越観光自動車、国際十王交通、茨城急行自動車（古河営業所を除く）で利用可能です。利用履歴は「バス等 東武CE」と記載されます。茨城急行自動車古河営業所ではPASMOは未導入です。

まとめ

朝日自動車グループは、東武鉄道グループの一員として、バス・タクシー事業を通じて地域社会の発展に貢献しています。再編や共通パスの導入、PASMOへの対応など、時代の変化に合わせて柔軟に対応しています。

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