木下義介

木下義介

木下義介（きのした ぎすけ）は、1890年1月21日に生まれ、1972年8月21日に没した、日本の政治家、内務官僚です。衆議院議員、政友会系の官選県知事、初代諫早市長を歴任しました。旧姓は宮本です。

生い立ちと初期の経歴

長崎県出身で、宮本彦雄の四男として生まれました。その後、木下敬太郎の養子となります。第五高等学校を卒業後、1914年11月に文官高等試験行政科試験に合格し、1915年には東京帝国大学法科大学英法科を卒業しました。

内務官僚としての活動

大学卒業後、内務省に入省し、三重県属を皮切りに、香川県警視、兵庫県警視、島根県書記官・警察部長、広島県書記官・警察部長、熊本県書記官・警察部長、愛知県書記官・警察部長、兵庫県書記官・警察部長、青森県書記官・内務部長、山形県書記官・内務部長、警視庁書記官官房主事など、内務官僚として数々の要職を歴任しました。地方行政に深く関わり、警察行政にも携わりました。

県知事としての活動

1931年12月には、犬養内閣の成立に伴い宮崎県知事に登用されました。宮崎県知事時代には、1932年5月に日向中央銀行と宮崎銀行（旧）が営業休止となった際、新銀行である日向興業銀行（現：宮崎銀行）の設立を指導し、県内経済の安定に尽力しました。1933年6月には香川県知事に転任し、瀬戸内海の国立公園指定（瀬戸内海国立公園）に貢献しました。1935年1月に知事を退任し、同年10月には退官して帝国水難救済会理事に就任しました。

諫早市長、衆議院議員としての活動

1940年、諫早市が発足すると初代市長に就任しました。その後、1942年4月に諫早市長を退任し、第21回衆議院議員総選挙に長崎県第一区から翼賛政治体制協議会推薦として出馬し当選、衆議院議員を一期務めました。また、内閣委員、大東亜省委員も歴任しました。

戦後の活動

戦後、翼賛政治体制協議会推薦の衆議院議員であったため公職追放となりました。

著作

木下義介は、以下の著作を著しました。

『海外ヨリ見タル外事警察』警察協会福岡支部、1925年。
『海難の護り』帝国水難救済会、1936年。

まとめ

木下義介は、内務官僚として地方行政に携わり、県知事としては経済の安定や国立公園の指定に尽力しました。また、初代諫早市長や衆議院議員としても活躍しました。戦時下には翼賛政治体制協議会に関与したため公職追放となりましたが、その生涯は日本の近代史における重要な一面を映し出しています。

参考文献

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
衆議院・参議院『議会制度百年史 - 衆議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
歴代知事編纂会編『日本の歴代市長』第3巻、歴代知事編纂会、1983年。

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