木村庄之助 (16代)

16代木村庄之助の生涯と業績

16代木村庄之助（じゅうろくだい きむら しょうのすけ）は、1849年12月26日に生まれ、1912年1月6日に没した大相撲の著名な立行司です。本名は柘新助で、愛知県豊橋市の出身です。父は田舎相撲の強豪であり、その影響で相撲への興味を抱くようになりますが、体格に恵まれなかったため、行司としての道を選びました。

相撲の道の始まり

彼は1859年の秋、吉田で江戸相撲の興行に参加し、そこで3代目清見潟に預けられて入門しました。以後、13代庄之助に師事し、1864年4月には木村新介として初めて番付に名を連ねました。彼のキャリアは着実に進展し、1871年4月には3代木村龍五郎を襲名します。

高砂流への参加

1873年の冬、初代高砂が新たな組織を立ち上げた際、木村はこれに参加し、高砂と共に活動しました。この期間に吉田誠道を経て木村誠道（初代）に改名し、1878年、高砂が東京相撲に復帰するのと同時に、彼も復帰しました。彼はこの後も多くの業績を残し、1885年には三役に昇進し、1896年には草履の免許を得ます。

名跡の継承

その後、彼は7代式守伊之助の後継者として養子となりますが、後に離縁します。その後は4代式守鬼一郎を名乗り、離縁後に再び木村誠道に戻ります。そして1898年1月には16代庄之助を襲名し、梅ヶ谷と常陸山の全盛時代をその裁きで支えました。

晩年と死去

晩年には中風の影響により手先が震えるようになり、「ブル庄」と呼ばれ、裁きの現場からは離れ、顔触れの言上のみを行うようになりました。1912年1月6日、肺炎のために享年64でこの世を去りました。庄之助としての在位期間は15年にも及び、大相撲界に多大な影響を与えました。

エピソードと人気

他の行司と同様に彼にも多くのエピソードがあります。右目が悪く風貌は上がりませんでしたが、梅ヶ谷や常陸山の時代を代表する行司として、多くのファンに愛されていました。特に衣擦れの音で目を覚ますという粋人としての逸話や、女性関係に関する話も多く、彼の人柄が窺えます。晩年を迎えても、彼は髷を結えていたことで知られています。

著作と資料

彼の著書には、木村庄之助の名のもと、河合英忠が画を手掛けた『相撲四十八手 : 附・裏四十八手』があり、1911年に発表されました。また、木村庄之助に関する参考文献や資料も幾つか掲載されており、彼の功績を知る上で貴重な情報源となっています。

16代木村庄之助という名は、今もなお多くの相撲ファンの間で語り継がれており、彼の業績は相撲界において不滅の存在となっています。

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