末松茂治

末松茂治：陸軍軍人、そして小倉市長へ

末松茂治（すえまつ しげはる）は、1882年（明治15年）5月15日に生まれ、1960年（昭和35年）8月6日に没した、日本の陸軍軍人であり、後に小倉市長を務めた人物です。彼の生涯は、軍人としての道、戦場での経験、そして地方自治の長としての活動という、多岐にわたるものでした。

軍人としての経歴

福岡県出身の末松は、末松久次郎の長男として生まれました。1902年（明治35年）11月に陸軍士官学校（14期）を卒業し、翌1903年（明治36年）6月には歩兵少尉に任官。その後、1911年（明治44年）11月には陸軍大学校（23期）を卒業し、着実にキャリアを積み重ねていきました。

1924年（大正13年）8月には歩兵大佐に昇進し、歩兵第1連隊長に就任。その後も歩兵第45連隊長、教育総監部庶務課長といった要職を歴任します。1930年（昭和5年）3月には陸軍少将に進級し、歩兵第36旅団長となります。1934年（昭和9年）3月には陸軍中将に進み、陸士校長に就任しました。

戦争への参加

1935年（昭和10年）12月、第14師団長に親補されます。しかし、1937年（昭和12年）3月には待命となり、予備役に編入。同年10月、日中戦争の勃発に伴い召集され、新設された第114師団長に就任し、中国戦線に出征。南京攻略戦、徐州会戦といった主要な作戦に参加しました。1939年（昭和14年）3月、参謀本部付となり、召集解除。

小倉市長としての活動

軍を退いた後、末松は小倉市長として地方行政に携わることになります。1942年（昭和17年）5月27日から1946年（昭和21年）1月25日まで市長を務め、戦時下の市政運営に尽力しました。しかし、1947年（昭和22年）11月28日には公職追放仮指定を受けています。

栄典と墓所

末松は、その軍事的な功績により、数々の位階と勲章を授与されています。1929年（昭和4年）には正五位、1934年（昭和9年）には従四位、1936年（昭和11年）には正四位、1937年（昭和12年）には従三位に叙せられました。また、1915年（大正4年）には功四級金鵄勲章、勲四等旭日小綬章を受章しています。

彼の墓所は、東京都府中市にある[多磨霊園]にあります。

末松茂治は、軍人として激動の時代を生き抜き、その後は小倉市長として地域社会に貢献した人物でした。彼の生涯は、日本の近現代史を語る上で重要な一章と言えるでしょう。

もう一度検索