本多忠辰

本多忠辰

本多忠辰（ほんだ ただとき）は、江戸時代中期に活躍した大名で、播磨国山崎藩の第3代藩主を務めました。政信系本多家4代当主にあたります。官位は従五位下肥後守、後に肥前守に叙任されました。

生涯

初代藩主・本多忠英の三男として生まれました。母は側室の小池三平の娘。正室は松平乗賢の娘を迎えています。幼名は八十郎と称しました。

享保16年（1731年）、兄であり先代藩主であった忠方が若くして亡くなったため、その跡を継ぎました。

藩主として藩政に携わりますが、その治世は決して平穏なものではありませんでした。兄の代から続く享保の大飢饉の影響で農村は荒廃し、その救済のために多大な費用が必要となりました。加えて、正室が第8代将軍・徳川吉宗の側用人を務めた松平乗賢の娘であったこと、さらには本家を継いだ長兄の忠良が老中にまで出世したことから、幕府との関係における出費が著しく増大し、藩財政は破綻寸前の状態に陥りました。

財政難を打開するため、忠辰は御用商人から多額の献金を取り立てるという手段に踏み切らざるを得ませんでした。

寛延3年（1750年）11月24日、40歳という若さで死去しました。跡は長男の忠堯が継ぎました。法号は諦原院殿前肥州宰吏融誉円厳利道大居士。墓所は東京都江東区三好にある霊光院にあります。

系譜

父：本多忠英（1647-1718）
母：小池三平娘
養父：本多忠方（1708-1731）
正室：松平乗賢娘
長男：本多忠堯（1737-1761）
生母不明の子女
女子：熊姫 - 本多忠堯の養女、本多忠可正室
女子：増山正武養女 - 増山正贇婚約者

本多忠辰は、藩主として苦難の時代を生き、藩財政の立て直しに奔走しましたが、志半ばでこの世を去りました。その生涯は、藩政の難しさと、時代の荒波に翻弄される大名の姿を今に伝えています。

もう一度検索