増山正贇

増山 正贇（ましやま まさよし）について

増山正贇は、江戸時代中期に存在した伊勢長島藩の第4代藩主です。生まれは享保11年（1726年）12月26日。彼は長門長府藩の藩主である毛利匡広の末男として誕生しました。幼名は仙五郎、または千五郎と呼ばれていました。

彼の人生の大きな転機は、延享元年（1744年）、第3代藩主・増山正武の養子となったことでしょう。正武は正贇の姉の夫であり、家族関係が深いこともありました。実際、正贇は養子縁組する前に、正武の養女である本多忠辰の娘との婚約を結んでいましたが、残念ながらその婚約者は結婚前に亡くなっています。

自身が藩主としての道を歩むことになったのは、延享4年（1747年）8月の養父・正武の死去によります。以後、正贇は藩主としての責任を担うことになり、その在任中に多くの事業を行いました。特に注目すべきは、宝暦4年（1754年）から始まった木曽川、伊尾川周辺の治水工事、通称「宝暦治水」です。この事業は、地域の洪水被害を軽減することを目的としていましたが、残念ながら自然災害や大規模な火災が頻発し、成果はあまり見ることができなかったと言われています。

その一方で、正贇は文化人の招致にも力を入れ、文学の発展を促進しました。彼の取り組みは、藩内の文化レベルを高め、多くの人々に影響を与えました。特に、文化人を招くことによってさまざまな文芸活動や学問が活発化し、その後の時代における文化基盤の構築に寄与したとされています。

正贇はその職務の一環として、延享3年（1746年）には徳川家重に御目見を果たし、同年12月には従五位下・対馬守に叙任されました。そして、明和2年（1768年）には奏者番に就任しましたが、安永5年（1776年）には辞職してしまいました。

彼の人生は安永5年4月5日、51歳という若さで幕を閉じます。正贇の死後、家督を長男の正賢が継ぎ、増山家はその後も続きました。

系譜について

増山正贇の家族は非常に多彩でした。彼の実父は毛利匡広、実母は性春院で、この二人から彼が生まれました。養父である増山正武の影響を受けつつ、正贇は自身の家庭を築いていきました。

正室には美代姫、法輪院がおり、彼女たちは細川利恭の娘でした。また、側室には朝倉氏（湯樹院）が存在しました。正贇には多数の子女があり、その中には長男の増山正賢をはじめ、増山正邦、白須政雍、小出英俊などがいます。彼の家系は、後の長島藩の歴史にも大きな影響を及ぼしました。

増山正贇は、その短い生涯の中で政治、文化、社会に寄与した偉大な大名として記憶されています。彼の業績は刀剣のように鋭く、時代の波に洗われながらも、後世にわたる影響を残しました。正贇の人生は、時代背景や家族の系譜とも密接に結びついており、彼の活動はその後の長島藩に多大な足跡を残しました。

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