本多正珍

本多正珍（ほんだ まさよし）

本多正珍は、江戸時代中期の大名であり、駿河田中藩の第2代藩主、そして江戸幕府の老中という要職を歴任した人物です。正重系本多家七代目にあたります。

生涯

1710年（宝永7年）7月8日に、田中藩初代藩主であった本多正矩の三男として誕生しました。母は松野助義の娘で、正室には松平信祝の娘を迎えました。子には、長男の本多正堅、次男の本多正供、四男の本多正敬、そして三人の娘がおり、それぞれ戸田忠寛、大久保忠卿、分部光実と婚姻しました。幼名は三弥と名付けられ、官位は従四位下、侍従、紀伊守、伯耆守を授けられました。

1735年（享保20年）に家督を相続し、田中藩の第2代藩主となります。その後、1737年（元文2年）から奏者番、寺社奉行を歴任し、1746年（延享3年）には幕府の老中に就任しました。しかし、老中在任中に発生した宝暦の郡上一揆に関し、不正に関与した疑いを受け、1758年（宝暦8年）に老中を罷免され、逼塞を命じられました。

1773年（安永2年）5月23日に隠居し、家督は次男の本多正供が継ぎました。1786年（天明6年）8月27日に77歳で亡くなり、法号は克享院殿受明蓮生寺と称しました。墓所は静岡県藤枝市の蓮生寺にあります。

経歴

1710年（宝永7年）7月8日：誕生
1725年（享保10年）：将軍に初御目見。従五位下紀伊守に叙任
1735年（享保20年）：田中藩を襲封し、第2代藩主となる
1737年（元文2年）：奏者番に就任
1739年（元文4年）3月15日：寺社奉行を兼任
1746年（延享3年）10月25日：老中に就任。従四位下伯耆守に叙任
1747年（延享4年）：侍従に任官
1758年（宝暦8年）9月2日：老中を罷免され、逼塞を命じられる
1773年（安永2年）5月23日：隠居
1786年（天明6年）8月27日：死去。享年77歳

系譜

父母

父：本多正矩
母：松野助義の娘

正室

松平信祝の娘

子女

長男：本多正堅
次男：本多正供
四男：本多正敬
娘：戸田忠寛正室
娘：大久保忠卿正室
* 娘：分部光実正室

本多正珍は、大名としての藩政、幕府の老中としての職務の両面で重要な役割を担いましたが、郡上一揆に関わる不正疑惑により、その晩年は不遇なものとなりました。しかし、その生涯は、江戸時代中期の大名、政治家の一つの典型として、後世に語り継がれています。

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