本宮駅 (富山県)

本宮駅（ほんぐうえき）

富山県富山市本宮に位置する、富山地方鉄道立山線の駅です。駅番号はT55。

現在の駅構造は、線路の片側に単式ホームが1面だけ設置された地上駅で、昔ながらの木造駅舎が現存しています。かつては列車が行き違うことのできる相対式ホーム2面2線の構造でしたが、現在はその名残として交換設備の跡が残されています。

歴史

本宮駅は、1937年（昭和12年）10月1日、富山県営鉄道の千垣駅と旧・粟巣野駅間の開通に伴い開業しました。

当駅の立山駅寄りには、かつて二つの駅が存在していました。一つは芦峅寺駅です。この駅は、有峰ダム建設に伴い千垣駅より東の区間のルートが変更され、本来の芦峅寺集落を通らなくなったため、対岸に駅を設置し、集落まで橋を架けることを条件に設けられました。しかし、富山県の財政難により橋の架設が遅れた結果、利用客が伸び悩み廃止されてしまいました。ちなみに、この橋は後に立山大橋として開通しています。

もう一つは粟巣野駅です。この駅は1955年（昭和30年）7月1日に千寿ヶ原駅（現在の立山駅）が開業するまで、立山線の終着駅でした。そのため、立山への登山客や冬場のスキー客で大変賑わいました。千寿ヶ原駅への路線延長後も、周辺スキー場へのアクセス駅として残存しましたが、スキー場まで距離があり、しかも急な坂道を登る必要があったため、ほとんど利用されなくなりました。その結果、1981年（昭和56年）5月22日に廃止となりました。

本宮駅自体の所有権も、度々変更されています。1942年（昭和17年）6月1日には、千垣駅から粟巣野駅間が富山県営鉄道から日本発送電に譲渡され、日本発送電の駅となりました。翌1943年（昭和18年）1月1日には、富山県営鉄道と日本発送電の交通事業が統合されて富山地方鉄道が発足し、富山地方鉄道の駅となります。その後、1954年（昭和29年）4月1日には、小見駅（現在の有峰口駅）から旧・粟巣野駅間が立山開発鉄道に譲渡され、立山開発鉄道の駅となりましたが、1962年（昭和37年）4月1日には小見駅 - 千寿ヶ原駅（現在の立山駅）間が再び富山地方鉄道に譲渡され、現在に至っています。

利用状況

「富山市統計書」によると、近年の乗車人員は少ない傾向にあります。例えば、2019年度の1日平均乗車人員は18人でした。

駅周辺

駅周辺には、複数のスキー場が集まる立山山麓スキー場があります。具体的には、極楽坂エリア（旧・極楽坂スキー場）、らいちょうバレーエリア（旧・らいちょうバレースキー場）、あわすのスキー場などです。しかし、これらのスキー場へは、隣の立山駅から運行している路線バスを利用する方が便利です。

また、「本宮」という地名から、雄山神社中宮祈願殿や富山県立山博物館が直線距離では最も近い場所に位置します。ですが、駅とこれらの施設の間には常願寺川が流れており、直接渡れる橋がないため、実際には二つ手前の千垣駅で下車し、橋を渡ってアクセスするのが推奨されています。その他、周辺には与四兵衛山などの自然も見られます。

隣の駅

富山地方鉄道

■ 立山線

• - アルペン特急、特急は通過します。
• - 普通：[有峰口駅 (T54)] - 本宮駅 (T55) - [立山駅 (T56)]

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