本牧埠頭

本牧埠頭：横浜港の国際貿易を支える巨大ターミナル

横浜港の中核を担う本牧埠頭は、神奈川県横浜市中区に位置する、日本有数の国際貿易港湾施設です。その規模は横浜港内でも最大級を誇り、コンテナターミナルとしての機能は国内屈指の規模と設備を備えています。

歴史と変遷: 本牧埠頭の建設は1960年代に始まり、A、B、C、D突堤が順次整備されました。当初は櫛形に配置された突堤でしたが、1990年代から2004年にかけてB、C突堤間の水域を埋め立て、一体化することで、さらに効率的なコンテナターミナルを実現しました。特にBC突堤先端部には水深15メートルの岸壁を整備、従来の岸壁と合わせた国内最大級のコンテナターミナルとして生まれ変わりました。

管理と運営: A、D突堤は横浜市港湾局と横浜港埠頭株式会社が、一体となったBC突堤は国土交通省からスーパー中枢港湾対象ターミナルの指定を受け、横浜港メガターミナル株式会社（YPM）が主に管理・運営を行っています。これは、民間主導による効率的な運営体制を構築することで、国際競争力の強化を目的とした取り組みです。

多様な機能と施設: 本牧埠頭はコンテナターミナルとしての役割に加え、建材埠頭など、多様な機能を備えています。D突堤には横浜港シンボルタワー、本牧海づり施設、本牧漁港、港湾職業能力開発短期大学校横浜校など、港湾関連施設が集積しています。これらの施設は、港湾業務の効率化や人材育成、地域住民へのレクリエーション施設提供など、多様な役割を果たしています。

アクセスと周辺環境: 南側の根岸湾沿いには南本牧埠頭があり、本牧埠頭との接続道路として「南本牧はま道路」（2017年3月4日開通）が整備されています。これにより、物流の円滑化と地域経済の活性化に貢献しています。また、本牧埠頭と大黒埠頭を結ぶ横浜ベイブリッジは、横浜の象徴的なランドマークとして知られています。

将来展望: 超大型客船に対応するため、A突堤に新たな多目的岸壁の整備計画が進められています。2025年を目標に、横浜ベイブリッジの下をくぐれない高さ（マスト高55m以上、22万総トン級のパナマックス）の客船に対応できる岸壁を整備することで、更なる国際クルーズ船の受け入れを目指しています。さらに、2020年からはD突堤の延伸によるロジスティクス用新本牧埠頭の造成も開始され、リニア中央新幹線の建設で発生した残土を活用することで、環境面への配慮も図られています。

経済効果: 本牧埠頭は、多くの企業や従業員を擁し、横浜市の経済に大きく貢献しています。経済センサス調査によると、事業所数と従業員数は年々変動しており、国際貿易の盛衰や経済情勢の影響を反映しています。

郵便と警察: 本牧埠頭の郵便番号は231-0811（集配局：横浜港郵便局）です。警察の管轄区域は、横浜市中区本牧地区の警察署が担当しています。

本牧埠頭は、横浜港の国際競争力強化に貢献する重要な拠点であり、その役割は今後ますます重要性を増していくでしょう。将来計画を着実に進めることで、横浜港、ひいては日本の国際貿易における更なる発展に大きく貢献することが期待されます。

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