本荘駅

本荘駅：歴史と自然が調和するローカル駅

福井県あわら市中番に位置する本荘駅は、えちぜん鉄道三国芦原線沿線にある無人駅です。駅番号はE38。この駅舎は、昭和初期に建てられた木造建築であり、その歴史的価値から国の登録有形文化財に登録されています。

歴史を刻む駅舎

本荘駅の開業は1928年（昭和3年）にまで遡ります。三国芦原電鉄の福井口～芦原（現在のあわら湯のまち駅）間開業と同時に誕生しました。その後、1942年（昭和17年）には京福電気鉄道に合併、1967年（昭和42年）に貨物取扱を廃止、1978年（昭和53年）には無人駅となりました。

2001年（平成13年）に発生した京福電気鉄道越前本線列車衝突事故の影響で全線運行が休止となり、本荘駅も一時休業を余儀なくされました。しかし、2003年（平成15年）2月1日、京福電気鉄道からえちぜん鉄道へ駅施設が譲渡され、同年8月10日には三国芦原線の運行再開とともに営業を再開しました。2011年（平成23年）には、歴史的建造物としての価値が認められ、駅舎が国の登録有形文化財に登録されました。

駅舎と周辺環境

本荘駅は、島式ホーム1面2線を有する地上駅です。列車交換は可能ですが、現在実施されていません。駅舎とは構内踏切でつながっています。開業当初から使われ続けている木造駅舎は、その佇まいから往時の面影を色濃く残しています。庇を支える支柱には、古レールが使用されているという、細部にもこだわった造りも見どころです。

駅周辺は、駅前を中心に小さな集落が広がっているものの、大部分は水田が広がる、のどかな田園風景が広がっています。静寂に包まれた環境は、都会の喧騒を忘れさせてくれる、癒やしの空間と言えるでしょう。

アクセスと周辺情報

本荘駅には、京福バスとケイカン交通の乗合タクシーが乗り入れています。バス路線は、芦原温泉駅行きと三国駅行きが運行されています。また、徒歩圏内にはあわら市本荘小学校もあります。

隣の駅

参考文献

『京福電気鉄道 越前線写真帖 88年回顧録』京福電気鉄道、2003年1月31日
川島令三『【図説】日本の鉄道中部ライン全線・全駅・全配線 第5巻 米原駅 - 加賀温泉駅』講談社、2010年8月20日
『週刊歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄28 えちぜん鉄道 福井鉄道・北陸鉄道・のと鉄道』朝日新聞出版、2011年10月2日
寺田裕一『改訂新版 データブック日本の私鉄』ネコ・パブリッシング、2013年1月19日

本荘駅は、歴史と自然が融合した、静かで落ち着いた雰囲気の駅です。訪れる人々に、懐かしい昭和の時代と、のどかな田園風景の両方を感じさせてくれるでしょう。

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