山寺常山

山寺常山（やまでら じょうざん）は、1807年に信濃国松代藩で生まれ、1878年7月3日に没した武士、兵学者、そして明治時代の教育者です。佐久間象山、山田琢斎と共に「松代三山」と称され、その学識と功績は高く評価されています。幼名は久道、後に信龍と改め、字は子彰、通称は源太夫を名乗りました。雅号としては常山の他に、静修斎、懼堂も用いました。また、孫には塩野季彦がいます。

常山は、松代藩士・山寺久敬の息子として生まれました。幼少の頃から学問に励み、その才能を発揮していました。藩に出仕すると、文政11年（1828年）には目付役、その後、普請奉行へと昇進しました。江戸詰めとなった際には、兵学を平山行蔵に、経学を古賀侗庵に師事し、学識を深めました。また、松崎慊堂や佐藤一斎、中村正直ら多くの学者や知識人と交流を重ねました。天保12年（1841年）には、藩主の真田幸貫が老中に就任し、海防を担当することになると、常山は藩士に対して兵学を講義し、指導に当たりました。天保14年（1843年）には、寺社奉行と軍奉行を兼任し、領内の警備体制を強化しました。弘化4年（1847年）に発生した善光寺地震の際には、被災者の救済に尽力し、その功績が認められ、家禄を加増されました。

嘉永5年（1852年）に真田幸教が藩主となると、常山は側役頭取に任命されました。嘉永6年（1853年）の黒船来航の際には、幕府内で藤田東湖や長岡是容らと対応策を協議するなど、その才覚を発揮しました。明治3年（1870年）の松代騒動では、藩知事の真田幸民から政務を委任され、混乱する民衆の鎮撫に努めました。明治4年（1871年）には、長野県学校が開設されると、教授として迎えられ、皇漢学を講義しました。教育者としても、その知識と経験を後進の育成に注ぎました。

常山の著書には、「常山文集」、「如座漏船居紀聞」、「松代封内実測図」などがあります。これらの著作は、彼の学識の深さと幅広い関心を示すものです。長野市城山には彼の功績を称える頌徳碑が建てられており、旧邸宅は国の登録記念物として保存されています。これらの史跡は、常山の足跡を後世に伝える重要な遺産となっています。

常山は、武士として、兵学者として、そして教育者として、激動の時代を生きました。その幅広い知識と卓越した才能は、多くの人々に影響を与え、今日まで語り継がれています。参考文献としては「信濃人物志」（文正社、1922年）や「長野県歴史人物大事典」（郷土出版社、1989年）などが挙げられます。これらの文献を通じて、常山の生涯と業績をより深く理解することができます。1000文字以上1400文字程度。マークダウン形式でお願いします。

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