朽木晴綱

朽木晴綱（くつき はるつな）は、戦国時代の武将です。朽木稙綱（くつき たねつな）の子として、近江国朽木谷城（現在の滋賀県高島市朽木）に生まれました。正室は飛鳥井雅綱（あすかい まさつな）の娘で、子に朽木元綱（くつき もとつな）がいます。朽木氏は高島氏の支族にあたり、晴綱は通称を弥五郎（やごろう）、官位は宮内少輔（くないしょうゆう）と称しました。

生涯

永正15年（1518年）に、近江朽木谷城城主・朽木稙綱の子として誕生しました。

祖父・朽木材秀（くつき きひで）以来の慣例に従い、室町幕府第12代将軍・足利義晴（あしかが よしはる）から偏諱（へんき）の授与を受け、晴綱と名乗りました。偏諱とは、主君や権力者が家臣や臣下に自分の名前の一字を与えることで、これにより主従関係を示すものです。晴綱の弟には、藤綱（ふじつな）、成綱（しげつな）、直綱（なおつな）、輝孝（てるたか）がおり、このうち藤綱と輝孝も義晴の子で室町幕府第13代将軍の足利義藤（後の義輝）（あしかが よしてる）から偏諱の授与を受けています。

朽木氏は室町幕府の奉公衆（ほうこうしゅう）を務めていました。奉公衆とは、室町幕府の直臣として将軍に仕え、京都の警備や戦時の動員などにあたる役職です。晴綱は、細川氏や三好氏によって京都から追われた足利将軍を朽木谷で保護しており、永正4年（1507年）には足利義澄（あしかが よしずみ）を、享禄元年（1528年）には足利義晴を保護しました。朽木谷は、京都から地理的に離れており、山深い地形であったため、戦乱を避けるのに適した場所でした。

また、足利義晴に味方して派兵し、敵対する諸将と戦いましたが、天文19年4月21日（1550年6月5日）に、朽木氏の本家である高島氏の高島越中守（たかしまえっちゅうのかみ）と高島郡河上荘俵山（現在の滋賀県高島市）で戦い、戦死しました。享年33歳。嫡男の元綱はわずか2歳で家督を相続することになりました。

朽木晴綱は、室町幕府の権威が衰退し、戦国時代の動乱が激化する中で、足利将軍を保護し、領地を守るために戦った武将でした。若くして亡くなりましたが、その功績は後世に語り継がれています。

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