李固

李固の生涯と業績

李固（りこ、93年 - 147年）は、後漢時代の著名な学者および政治家であり、彼の人生は多くの波乱と葛藤に彩られています。字は子堅で、漢中郡南鄭県出身です。彼の家系は荘重で、祖父は国子博士の李頡、父は司徒を務めた李郃という背景を背景に持っています。子供には李基、李茲、李燮がおり、娘の李文姫は同郡の趙伯英の妻となりました。

学問と初期の業績

李固は幼少期から学問への情熱を示し、特に長安でその名声を高めました。彼は司隷や益州の職責を求められましたが、それに対しては果敢に応じませんでした。132年（陽嘉2年）に発生した天災に際しては、その対策を皇帝に上奏し、安帝や官僚の失政、さらには腐敗した官僚や宦官、外戚の専横を厳しく批判しました。この姿勢は順帝に評価され、議郎として任用されましたが、讒言の影響を受け失職することになりました。

政治と転機

大将軍梁商は李固の才能を惜しんで広漢郡の雒県の県令に任命しました。しかし、赴任の途中で彼は再び辞任し、故郷に戻って周囲との関わりを絶ちました。その後、再び梁商の推薦により従事侍郎として朝廷に参加することになりますが、永和年間には荊州刺史に任命されます。この職務においては、優れた治績を上げるものの、梁商の子である梁冀との対立が問題となり、泰山太守に左遷される事態に見舞われました。

その後の栄光と悲劇

泰山郡での業績が評価され、中央政府に召還されて将作大匠に任命されます。さらに大司農に昇進し、考試の粛正を行うなど、漢朝の中枢で重要な役割を果たしました。144年（建康元年）8月6日、順帝が崇拝された際に、李固は太尉に昇進しますが、145年（永憙元年）には沖帝の即位とともに再び権力闘争に巻き込まれます。沖帝が崩御するやいなや、後継問題を巡って大将軍の梁冀との激しい対立が展開され、やがて桓帝の即位後に梁冀によって残念ながら命を落とすこととなります。享年54歳でした。

家族の運命

李固の死後、子供たちも悲劇に見舞われます。特に李基と李茲は後に獄死し、唯一の生き残りである李燮は13歳の若さで、兄妹たちの助けを借りて命を救いました。彼は李固の門生である王成に託され、「六尺の孤児を、お前に渡す。李家の存亡はお前の手にかかっている」と伝えられました。王成はその後長江を下り、徐州で酒屋を営むことになり、見事に危機を切り抜けました。

李固の生涯は、後漢時代の政治の激流を知る上で重要な一章を形成しています。彼の業績や、その家族の運命は、当時の政治状況を物語る一つの鍵となるでしょう。

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