李址鎔

李址鎔の生涯と業績

李址鎔（り しよう、イ・ジヨン、1870年12月15日 - 1928年6月28日）は、李氏朝鮮末期から大韓帝国期にかけての著名な政治家であり、親日派として知られています。彼は李熙夏の長男で、興寅君李最応の孫にあたります。そのため、彼の生活には多くの政治的背景が色濃く反映されています。

李址鎔は、跡継ぎがいなかった伯父の完永君李載兢の養子として育ちました。清国の光緒年間にあたる光緒13年（1887年）には庭試文科において丙科に合格し、教育を受けることになります。その後、彼は黄海道観察使や慶尚南道観察使などの重要な役職を担い、実務経験を積んでいきました。

光武4年（1900年）、李址鎔は宮内府の協弁に任命され、その後の政治活動に大きな影響を与えました。光武8年（1904年）2月23日、彼は外部大臣署理として、日本の駐韓公使林権助と共に日韓議定書に調印します。この合意は後の日本との関係において重要な位置を占めることになります。3月26日には日本に渡り、外交活動を続けることとなります。

帰国後、李址鎔は法部大臣、奎章閣学士、判敦寧府事、教育部総監などを歴任しました。光武9年（1905年）には農商工部大臣、さらに内部大臣にも就任します。しかし、彼の内部大臣としての立場は、第二次日韓協約を支持・調印したため、反日団体から厳しく非難され、「乙巳五賊」として批判の的となりました。この影響で彼の自宅は焼き討ちに遭うなど、厳しい反発に直面することになりました。

光武11年（1907年）5月、李址鎔は中枢院顧問に任命され、その後1910年（明治43年）10月16日には朝鮮貴族として勲一等伯爵に叙位されました。これは彼が持つ政治的影響力を示すものであり、また当時の日本との関係の中での立場を象徴するものでした。

李址鎔は1928年（昭和3年）に58歳で亡くなり、正三位を贈られました。彼の生涯は、当時の朝鮮における政治的緊張の中での選択の結果を示す重要な例であり、その後の評価にも大きく影響を与えることとなります。

死後の評価

李址鎔は、生前の功績の一方で親日派としての評価を受け続けています。2002年には親日派708人名簿に名を連ね、2005年には民族問題研究所にて親日人名辞書の収録予定者の一次名簿に選定されました。また、2007年の親日反民族行為真相糾明委員会による「親日反民族行為195人名簿」にも名を連ねています。これにより彼の政治的選択は、評価が分かれる複雑な歴史の一部として今も語り継がれています。

栄典

李址鎔は、その政治活動において、1915年（大正4年）11月10日に大礼記念章を受章しています。この栄典は彼の公務に対する貢献を反映するもので、彼の歴史的な位置づけにも強い意味を持っています。

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