李士群

李士群の生涯

李士群（り しぐん、1905年 - 1943年9月9日）は、中華民国の政治家として知られ、特に南京国民政府の下で特工総部の要職にあったことで有名です。彼の政治家としてのキャリアは幅広く、波瀾万丈なものでした。彼の存在は近代中国の政治史において重要な位置を占めています。

学歴と初期の活動

李士群は上海で私立美術専科学校及び私立上海大学を卒業した後、ソ連に留学し、東方勤労者共産大学を修了しました。彼は中国国民党の北伐が始まりつつあった時期に中国共産党に加入し、上海を拠点に活動を展開しました。しかし、1932年に国民政府当局に逮捕され、その後は転向を表明しました。この転向により、彼は国民党中央組織部調査科に加盟し、上海で『社会新聞』に関与しながら特務活動を進めました。

南京国民政府と特工総部での活動

1937年の日中戦争が勃発すると、南京が陥落した後、李士群は上層部の指示で南京に潜伏し、翌年には香港の日本総領事館との連携を図ることになります。この段階で彼は日本の土肥原機関との接触を開始し、その後、上海での活動へとシフトしました。1939年、彼は汪兆銘の配下に入り、特工総部の副主任に任命されました。

特工総部の活動は非常に重要であり、李士群が中央委員に選出されたのは、特に国民党第6回全国代表大会においてでした。ここで彼は特工総部及び特務委員会の副主任に就任し、徐々に影響力を強めていったのです。彼は汪兆銘の腹心という立場を利用して、「公館派」の主要なメンバーとして台頭し、特工総部主任の丁黙邨をも超える権力を手に入れていきます。

警政部とその後の昇進

1940年3月、汪兆銘が南京国民政府を樹立すると、李士群は警政部の政務次長、特工総部主任、中央政治委員会の委員という重要な地位に就きます。その後、1941年、彼は中日文化協会上海分会の理事長や清郷委員会の蘇州弁事処処長など、様々な役職を歴任しました。彼のキャリアはますます上昇し、1942年には江蘇省長に任命されるなど、その権力をみるみるうちに増大させていきました。

謎の死

しかし彼の生涯は突然の悲劇によって幕を閉じます。1943年9月6日、李士群は上海で行われた宴席で毒を盛られ、9日に蘇州で死亡しました。彼の死因については多くの憶測があり、軍統局が提出した資料によれば、周仏海側の陰謀によって毒殺されたとの説も浮上しています。享年39という若さで、彼の死は多くの謎を残すものとなっています。

李士群の政治家としての影響力や活動は、今なお研究の対象であり、彼に関する資料や証言は、近代中国の複雑な政治状況を理解する上で欠かせないものとなっています。

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