李存信

李存信（り そんしん）は、唐末期に活躍した武将です。862年に生まれ、902年に亡くなりました。彼は、李克用の養子となり、その配下として数々の戦で功績を上げましたが、その生涯は嫉妬と裏切りに彩られたものでした。

出自と才能

李存信の元の名前は張汚落（ちょうおらく）と言いました。彼の父、張君政は回鶻懐化郡王の李思忠（嗢没斯）の領民でした。李存信は武術に秀でていただけでなく、芸術や学問にも才能を発揮しました。4ヶ国語を操り、6種類の文字に通暁していたという記録があります。

李克用の配下として

李存信は、李克用が黄巣の乱を鎮圧するために戦った際に、李克用に付き従い、関中で多くの功績を上げました。その功績が認められ、馬歩軍都指揮使に任命され、李克用の養子となり、李存信と改名しました。

嫉妬と裏切り

しかし、李存信は李克用の他の養子である李存孝に対して、強い嫉妬心を抱いていました。彼は密かに李存孝を排斥しようと企み、陰謀を巡らせました。李存信の扇動により、李存孝は謀反を起こしたとされ、処刑されてしまいます。しかし、李克用は後に李存信の策略に気づき、彼を遠ざけるようになりました。

失意の晩年

896年、李克用は朱全忠に攻められていた朱瑄を救うため、李存信らを派遣しました。しかし、李存信はこの戦で大敗を喫し、李克用の実子である李落落も戦死してしまいます。さらに、翌年、安塞の戦いでも大敗を喫し、激怒した李克用から「三度負ければ処刑する」と宣告されました。李存信は叩頭して謝罪しましたが、その後は戦を避け、病と称して戦場に出ることはありませんでした。失意のうちに、902年に病没しました。

李存信は、武勇と才能に恵まれながらも、嫉妬心と裏切りによって自らの立場を失った人物として、歴史に名を残しています。彼の物語は、人間関係における嫉妬心の恐ろしさと、誠実さの重要性を教えてくれます。

伝記資料

李存信に関する記述は、以下の歴史書に記録されています。

『新五代史』
『旧五代史』
* 『資治通鑑』

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