李存孝

李存孝：五代後唐の驍将、その栄光と悲劇

李存孝（り そんこう、生年不詳 - 894年）は、五代後唐の時代に活躍した武将です。元々は安敬思という名前でしたが、李克用の養子となり、その勇猛さから名を馳せました。彼は民間伝承や小説『残唐五代史演義』の中で、李克用の配下「十三太保」の一人として語り継がれています。

波乱の生涯

李存孝は、李克用の下でその武将としての才能を開花させ、数々の戦で目覚ましい活躍を見せました。特に、李克用が黄巣の乱を鎮圧する際には、騎兵を率いて転戦し、連戦連勝の活躍を見せたとされています。その武勇は敵軍を恐れさせ、味方を大いに鼓舞しました。

その後、唐の実権を巡り、李克用と朱全忠が対立を深める中で、李存孝もその戦いに巻き込まれていきます。河陽への侵攻は失敗に終わるものの、邢州、洺州、磁州の三州を攻略するなど、その武将としての能力を遺憾なく発揮しました。さらに、唐が派遣した孫揆率いる討伐軍を撃破し、孫揆本人を捕縛するという武功を立てています。

しかし、その類まれなる武勇は、時に嫉妬の対象ともなりました。李存孝の活躍を妬んだ李存信によって讒言され、王鎔と内通し、ついには宿敵である朱全忠に寝返るという行動に出ます。しかし、最終的には李克用との戦いに敗れ、捕縛されてしまいます。

捕らえられた李存孝は、李存信の罪を訴え、許しを請いますが、その願いは聞き入れられず、処刑という悲劇的な最期を遂げることになります。彼の壮絶な生涯は、その武勇とともに、後世に語り継がれています。

伝説的な武勇

李存孝の武勇は、「驍勇冠絶、天下無双」と評され、「王は項羽、将は李存孝」とまで謳われました。彼は騎射にも長けており、常に先陣を切って戦いました。その強さは、彼自身の命を縮めることにも繋がったと言えるでしょう。

また、朱全忠の配下で猛将として知られる鄧季筠を一騎打ちで生け捕りにしたという逸話も残っています。この逸話からも、彼の武勇がいかに傑出していたかが窺えます。

後世への影響

李存孝は、その武勇と悲劇的な最期から、後世の物語や演劇の題材として取り上げられることも多く、特に『残唐五代史演義』では、李克用の配下「十三太保」の一人として、その勇猛さが描かれています。

登場作品

• - 映画:

- 『英雄十三傑』（1970年、演：デビッド・チャン）

参考文献

• - 『旧五代史』
• - 『新五代史』

李存孝は、その武勇と悲劇的な最期によって、中国史上屈指の武将として、今もなおその名を轟かせているのです。

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