李承勲 (ボクサー)

李承勲（イ・スンフン）

李 承勲（イ・スンフン、朝: 이승훈、英: Lee Seung-hoon）は、1960年7月26日に韓国の忠清北道清原郡で生まれた、同国を代表する元男子プロボクサーである。

プロキャリアの歩み

1977年7月30日、プロボクサーとしてのキャリアをスタートさせ、4回判定勝ちでデビュー戦を飾った。しかし同年11月にはキャリア初黒星を喫する。その後も経験を積み重ね、1978年12月20日にはソウルで行われた韓国フライ級王座決定戦で金容煥を10回判定で破り、初のタイトルを獲得した。

世界王座への挑戦

李承勲はその後、世界を見据えた戦いを展開していく。1979年には元WBC世界ライトフライ級王者ネトルノイ・ソー・ボラシンや、後にWBC世界フライ級王者となるプルデンシオ・カルドナと拳を交えた。カルドナには判定勝ちを収めている。

1980年2月2日、カラカスでのWBC世界スーパーフライ級初代王座決定戦に挑んだが、ラファエル・オロノに15回判定で惜しくも敗れ、世界王座獲得はならなかった。その後も元世界王者金性俊に判定勝ちするなど実績を重ねたが、1982年6月2日にはロサンゼルスでWBC世界バンタム級王者ルペ・ピントールに挑戦するも、11回TKOで敗退。さらに1985年2月2日にはプエルトリコでWBA世界スーパーバンタム級王者ビクトル・カジェハスに挑むが、15回判定負けを喫し、3度目の世界挑戦も実を結ばなかった。

IBF世界王座獲得と防衛

相次ぐ世界挑戦失敗にも屈せず、李承勲は再び頂点を目指した。1987年1月17日、無敗のまま引退した金知元によって空位となったIBF世界スーパーバンタム級王座を懸け、OPBF東洋太平洋スーパーバンタム級王者プラユンサク・ムアンスリンと対戦。この一戦で9回TKO勝利を収め、4度目の世界挑戦にしてついに世界王座を獲得した。これは彼にとって長年の努力が報われた瞬間であった。

世界王者となってからは安定した強さを見せ、同年4月にはホルヘ・ウルビナ・ディアスを10回KO、7月にはレオン・コリンズを5回KOで退け、順調に防衛を重ねた。1987年12月27日には浦項市で、後に同王座に就くホセ・サナブリアを相手に3度目の防衛戦を行い、15回判定で勝利した。

キャリア終盤と引退

IBF王座在位中の1988年5月29日には、WBC世界スーパーバンタム級王者ダニエル・サラゴサとの統一戦に臨んだ。壮絶な打撃戦の末、12回引き分けに終わり、IBFに続く2階級制覇は達成できなかった。この後、IBF世界スーパーバンタム級王座は返上している。

その後もリングに上がり続け、1989年12月30日のエドウィン・モンタネス戦での10回KO勝利を最後に、プロボクサーとしてのキャリアに終止符を打った。長きにわたり世界の強豪と拳を交え、タイトル獲得、そして防衛を果たした彼のキャリアは、多くのボクシングファンに記憶されている。

獲得タイトル

韓国フライ級王座
IBF世界スーパーバンタム級王座（防衛3）

李承勲は、その粘り強いファイトスタイルと、幾度もの世界挑戦を経てついに栄光を掴んだ不屈の精神で知られている。

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