李敬玄

李敬玄の生涯と業績

李敬玄（り けいげん、615年 - 682年）は、唐代の高名な官僚および政治家で、亳州譙県を本貫としています。彼は父、李孝節の影響を受け、若い頃から多くの書籍を読み込むことで知識を深めました。特に五礼に優れていた彼は、政治家としての基盤を築き上げることができました。

初期の経歴

李敬玄は貞観の末期において、高宗が皇太子に任命された時、馬周からの推薦を受けて崇賢館に召されたとされています。彼は侍読として、皇宮内の書物を借りて熱心に学問に励みました。666年には西台舎人及び弘文館学士に任命され、その後も多くのポジションを歴任していきます。

669年、彼は西台侍郎に昇進し、太子の右庶子や同東西台三品、さらには検校司列少掌伯としても活躍しました。特に、当時の吏部員外郎であった張仁禕に状況に応じた業務を委ねるなど、他の有能な人材を重用する姿勢が評価されています。また、彼は登用されないままの徐太玄を積極的に鄭州司功参軍に抜擢するなど、多くの士族を登用することにも尽力しました。

昇進と業務

咸亨元年から4年にかけ、彼は中書侍郎や監修国史を勤め、その貢献により多くの人材が彼のもとに集まりました。676年、彼は中書令に任じられ、趙国公に封ぜられました。これは彼の政治的手腕が高く評価された証とも言えるでしょう。

吐蕃の侵入と軍事

680年、境界地において吐蕃が侵入した際、李敬玄は劉仁軌に対し、西辺の鎮守に赴くよう申し出を受けました。しかし、彼は自らの軍事的才能が不足していると判断し、出陣を固辞しました。それにも関わらず、高宗の命により洮河道の大総管として派遣されます。彼は安撫大使も兼任し、兵を指揮して吐蕃軍の防衛にあたることになったのです。

しかし、彼は吐蕃の攻撃に対し狼狽し、逃げ出してしまいます。この結果、彼の副将であった劉審礼は孤立し、戦死します。李敬玄はその後、病気を理由に長安に帰還することを希望し、この願いが叶えられました。その後、高宗に詐病を見破られ、地方に左遷されることとなります。

晩年と遺産

李敬玄は揚州大都督府長史に転任後、682年に亡くなります。享年68歳でした。彼の死後、兗州都督の位が追贈され、文憲の諡号が与えられました。また、彼の業績は長く伝えられ、歴史書には『礼論』や『正論』など彼の著作が記されています。

子女

彼には李思沖や李守一といった子供がいました。特に息子の李思沖は工部侍郎や左羽林軍将軍を歴任し、将軍として名を馳せましたが、悲しいことに戦乱により命を落とします。

李敬玄の生涯は、才能と知識、政策運営の厳しさを体現したものとして、唐代を代表する政治家の一人として記憶され続けています。

もう一度検索