李智雲

李智雲（り ちうん、604年 - 617年）は、唐の初代皇帝である高祖・李淵の五男として生まれました。母は万貴妃で、もとの名は稚詮と言いました。若くして亡くなったものの、後に楚王と追封されています。

生涯

李智雲は幼い頃から、弓射と書道に才能を発揮しました。しかし、大業13年（617年）、父である李淵が太原で隋に対して挙兵した際、彼の運命は大きく変わります。当時、李智雲は異母兄である李建成・李元吉らと共に河東にいましたが、李建成らは太原へと逃れました。しかし、李智雲は逃れることができず、隋の捕吏に捕らえられ、長安へと送られてしまいます。そして、隋の役人であった陰世師によって、志半ばで殺害されました。

唐が建国された後の武徳元年（618年）、李智雲はその功績を認められ、楚王と追封され、哀と諡されました。さらに、武徳3年（620年）には、太宗（李世民）の子である李寛が彼の後を継ぎ、李智雲には涼州総管・司徒の位が追贈されました。

李智雲は若くして非業の死を遂げましたが、その才能と父への忠誠心は、唐王朝において高く評価され、手厚い追贈を受けることとなりました。彼の短い生涯は、唐王朝の成立という激動の時代を象徴するものとして、歴史に刻まれています。

伝記資料

『旧唐書』巻64 列伝第14「楚王智雲伝」
『新唐書』巻79 列伝第4「楚王智雲伝」

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