李異

李異について

李異（り い）は、中国の後漢時代末期から三国時代にかけての武将であり、孫権の配下として名を馳せました。彼の生涯を追いながら、彼がどのように歴史に足跡を残したのかを振り返ります。

生涯の概要

李異の生まれた年や死没年は不詳ですが、建安19年（214年）には重要な出来事が飯盛られました。この年、益州牧の劉璋から劉備に寝返った法正が送付した書状によれば、孫権は李異や甘寧を後続部隊として派遣したとされています。これが真実かどうかは不明ですが、李異の軍事活動が始まったことは間違いありません。

李異は建安24年（219年）末から建安25年（220年）にかけて、荊州の制圧を目指していた陸遜の指揮の下、活動を行いました。彼は謝旌と共に3千の兵を率い、蜀漢の部将である詹晏や陳鳳と激闘を繰り広げました。この戦いでは、李異が水軍を指揮し、謝旌が陸軍を率いて要塞を確保し、蜀軍を打ち破りました。

劉備との戦闘

黄初2年（221年）7月、劉備が自身で呉を討伐するために動き出した際、李異は劉阿と共に陸遜の指揮の元、巫や秭帰に駐屯していました。蜀の将軍である呉班、馮習との遭遇時には迎撃に出ましたが、ここでは敗退を喫しました。ただし、翌年の黄武1年（222年）6月、陸遜が劉備に対して反撃を試み、劉備が永安に逃げ込むと、李異は劉阿と共に南山に駐屯し続けました。最終的には、劉備と孫権の間で和睦が成立し、新たな戦闘は起こりませんでしたが、この後、李異は史料に名前が現れなくなります。

劉璋配下の李異

ところが、劉璋の配下にも同じ名前の李異が存在しました。このもう一人の李異は、元々劉璋に仕えていた趙韙の配下で、彼が反乱を起こした際に一時的に趙韙についていましたが、後に趙韙を裏切る決断を下します。これが彼の軍功に繋がったのは皮肉な展開と言えるでしょう。なお、李異と劉璋配下の同名の人物が同一である可能性については、多くの研究者が言及しておりますが、確固たる証拠は存在しません。

小説における李異

小説『三国志演義』では、李異は謝旌と共に孫桓配下の大将として登場します。彼が宜都で蜀軍に迎撃する際、蜀の将張苞との戦闘がクライマックスとなります。特に李異は金鍍金の鉞を振るい、張苞に挑みますが、最後には蜀の関興によって一刀両断されてしまう運命を辿ります。この逸話もまた、李異の名声がいかに高かったかを物語っています。

李異の歴史的背景を通じて、彼がどのような武将であったのか、またその軍事的功績がどのように歴史に影響を与えたのかが浮かび上がります。彼の正確な運命は不明なままですが、三国の歴史を彩る一人物であったことは間違いありません。

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